プレジデンツカップ2023:米国選抜が13勝目を挙げ、その強さを再確認

プレジデンツカップ2023:米国選抜が13勝目を挙げ、その強さを再確認

プレジデンツカップ 2023:米国選抜が13勝目を挙げる

今年で15回目を迎えた「プレジデンツカップ」。この大会は、米国選抜と世界選抜(米国以外の選手)が対戦するゴルフの国際大会で、これまでの戦績は米国選抜が12勝1敗1分けと、圧倒的な強さを誇ってきた。特に2005年大会以降は9回連続で勝利を収めており、開幕前から米国選抜の勝利が予想されていた。

米国選抜の強力な布陣

米国選抜には、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを筆頭に、2位のザンダー・シャウフェレ、4位のコリン・モリカワ、6位のウインダム・クラーク、そして9位のパトリック・キャントレーという、トップ10以内の選手が5人も含まれていた。一方、世界選抜チームは世界ランキングのトップ10以内に7位の松山英樹(日本)のみが入っており、その差は歴然だった。

予想外の展開

しかし、ゴルフは予想外の展開が起こることも多い。特にマッチプレーやチーム戦では、日ごろのストロークプレー個人戦とは異なる要素が加わり、予想外の結果が生まれることもある。

会場と期待

今大会はカナダのロイヤル・モントリオールで開催された。ホーム戦となる世界選抜チームは「今回こそは」と勝利を切望し、会場に足を運んだカナダのゴルフファンも、世界選抜が1998年大会に続く2度目の優勝を挙げることを期待していた。

初日から最終日までの展開

初日

初日は米国選抜がフォアボール5マッチを全勝し、予想通りの展開となった。

2日目

2日目は世界選抜チームがフォアサム5マッチを全勝する大逆襲を披露。この日は世界選抜チームの意地と力を示す展開となった。

3日目

3日目は午前の4マッチと午後の4マッチで、米国チームがそれぞれ3勝1敗を収め、トータルで「11対7」として最終日のシングルス12マッチを迎えた。

最終日の激戦

最終日はシングルス12マッチが行われ、世界選抜チームのエースである松山英樹は、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを相手に、粘り強いプレーで貴重な1勝を挙げた。トム・キム(韓国)も最後までサム・バーンズに食い下がり、引き分けに持ち込む大健闘を見せた。

しかし、その後、米国選抜のポイントは順当に増えていき、キーガン・ブラッドリーがキム・シウを下して15.5ポイントを先取した瞬間、米国選抜の勝利が決まった。

ブラッドリーの勝利と感想

2025年「ライダーカップ」の米国キャプテンを務めるブラッドリーが、今大会で米国チームの勝利を決める形になったことは、ブラッドリーにとっても、米国選抜の面々にとっても、最高の成り行きだった。

ブラッドリーは、「素晴らしいメンバー揃いの米国選抜を、僕は誇りに思う。この大会におけるジム・フューリックのキャプテンぶりを僕はそのまま真似させてもらい、来年のライダーカップ・キャプテンを務めたい」と語った。

最終結果と評価

最終的には「18.5対11.5」で米国選抜が勝利し、「やっぱり米国が勝った」という結末になった。とはいえ、見どころが無かったわけでは決してない。2日目の世界選抜チームの大逆襲にはワクワクさせられた。トム・キムのエネルギッシュなパフォーマンスは眺めているだけで笑顔にさせられた。

また、松山英樹がシェフラーを下す決め手となった「最後のパットは、死ぬほど手が震えた」と、珍しくエモーショナルな表現を口にした姿も楽しめた。

世界選抜の奮闘

しかし、最終日は「接戦」「熱戦」というより、世界選抜チームが米国チームの楽勝や圧勝を阻止すべく、「よく粘った」「よく食い下がった」という印象が強かった。この印象は、「やっぱり米国強し」の証とも言える。

今後の展望

米国選抜の優勝は、これで10回連続、13勝目となった。世界選抜は、戦いぶりは完敗ではないものの、結果は「やっぱり敗北」だった。チーム間の世界ランキングの差が大きく広がった背景には、LIVゴルフへ移籍したスター選手がプレジデンツカップの場から消えてしまったという事情がある。この「やっぱり」は、いつまで続くのか。そろそろ、プレジデンツカップの在り方が問われるべきではないだろうか。