PS5 Pro vs ゲーミングPC: 価格と性能の比較
PlayStation 5 Pro とゲーミングPCの比較
2024年9月、人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズの新作が2025年2月に発売されることが発表されました。このニュースを受けて、多くのゲームファンが「PS5 Proを購入する」か「ゲーミングPCの導入」を検討していることでしょう。PS5 Proの価格は11万9,980円(税込)で、ゲーム専用機としては決して「安い」とは言えません。そのため、「ゲーミングPCの方が安いのでは?」と考える人もいるかもしれません。そこで、PS5 Proと一般的なゲーミングPCの比較を行います。
PS5とPS5 Proの違い
PS5 Proは、従来のPS5の性能を大幅に向上させた上位モデルです。主な違いは以下の通りです。
- グラフィックス処理能力の向上:PS5 Proでは、グラフィックス処理能力が大幅に向上しています。特に、レイトレーシング性能が2~3倍に向上し、高フレームレートでのゲームプレイの安定性が向上しています。
- AI-Driven Upscaling:SIE独自の超解像技術「PSSR」が搭載され、画質の向上が期待できます。
PS5 Proの強化ポイント
PS5 Proの強化ポイントについて、リードアーキテクトのマーク・サーニー氏が2024年9月11日(日本時間)に行われたテクニカルプレゼンテーションで以下のように述べています。
- Larger GPU:PS5 ProのGPUは、PS5標準モデルのGPUと比べてCompute Unit(CU)が67%増量されています。これは、約60基のCU数に相当します。
- Advanced Ray Tracing:レイトレーシング性能が2~3倍に向上しています。
- AI-Driven Upscaling:SIE独自の超解像技術「PSSR」が搭載され、画質の向上が期待できます。
これらのアップグレードにより、PS5 Proは次世代のゲーム体験を提供する準備が整っています。
PS5のスペックとPCへの置き換え
グラフィックス性能
PS5のグラフィックス性能は、PC用のGPUに置き換えると、おおよそNVIDIA RTX 2080相当の性能です。PS5のグラボ(グラフィックボード)の性能は10.3TFLOPSの演算性能を持っており、これはRTX 2080に近しい性能です。RTX 2080は、FF14ベンチマークで「非常に快適」を十分に引き出せるグラボです。ゲーム専用機でコンソール専用に最適化されたゲームをプレイする場合、PCよりも効率的に性能を引き出せることもあります。10.3TFLOPSの演算性能があるPS5では、体感としては「RTX 2080より快適」な場合もあるでしょう。
CPU性能
PS5のCPUは、AMDのZen 2アーキテクチャをベースにした8コア16スレッドのプロセッサーを採用しています。PCのCPUに置き換えると、おおよそAMD Ryzen 7 3700X相当の性能だと考えられます。PS5 ProのCPUについては、PS5と同等か微小な性能アップに留まっている可能性があります。
PS5 Pro相当のパソコンを自作する場合の予算
PS5 Pro相当のパソコンを自作する場合の予算を考えてみましょう。ただし、PS5 Proのテクニカルプレゼンテーションの内容を主にベースとした推測に基づく試算が一部含まれます。
グラボ
PS5 Proのグラフィックス性能は、AMD Radeon RX 6800相当と予想されます。CUがPS5に対して67%増量されている場合、CU数は約60基となります。60基のCU数があるGPUの代表例は「Radeon RX 6800」です。この場合、GPUだけで約8万円弱の予算が必要になります。
CPU
CPUの性能については、PS5 Proのテクニカルプレゼンテーションでは特に明言がありません。PS5と同等の性能のCPUの場合、おおよそAMD Ryzen 7 3700X相当のものが搭載される可能性があります。ただし、GPUの大幅な性能アップに対してCPUの性能にやや不足感も感じられます。同じZen 2アーキテクチャのRyzen 5 5600X相当のCPUが搭載されている可能性もあります。仮に現行品でも入手しやすい「Ryzen 5 5600X」の場合、25,000円前後が目安となります(※クーラー付属品の場合。単品購入する場合、別途冷却方法を用意することをおすすめします)。
ストレージ
PS5 Proのストレージは2TBです。仮に同等容量のゲーミングPCを組む場合、2TBのSSDを購入するには、おおむね2万円~3万円程度の予算が必要になります。
メモリ
PS5 Proのメモリは32GBです。仮に32GBのDDR4メモリを選択すると、1万5,000円程度の予算が必要です。
その他のパーツ
グラボ、CPU、ストレージ、メモリといったパーツだけですでに15万円前後に及んでいます。さらに自作PCを実際に組む場合、上記の主要パーツに加えて電源や光学ドライブ、マザーボード、OS、キーボード、ゲームパッド、ケース、ファンなどが追加で必要となります。少なく見積もっても自作PCを実際に組む場合、20万円前後の予算は見積もっておくべきでしょう。
結論
PS5 Proの価格帯は10万円越えですが、「高い」とは必ずしも言えません。PS5 Proは、次世代のゲーム体験を提供するための高性能なゲーム機であり、その価格はその性能を考慮すると妥当と言えます。とはいえ、「ゲーム専用機」に10万円越えの予算を費やすならば、もう少し予算を足して汎用性が高いゲーミングPCを組みたい方も少なくないでしょう。
PS5 Proは性能だけを見れば「高くない」ですが、「ゲーム専用機」が10万円以上の価格であることが高いと感じるかはユーザーのニーズ次第と言えます。それぞれの用途や予算に合わせて、最適な選択をすることをおすすめします。