コインベース、タップルートアドレス対応とcbBTC展開でビットコインの利便性とプライバシー強化
コインベースが10月9日に、ビットコインの「タップルートアドレス」への送金に対応開始したと発表した。タップルートアドレスは、2021年11月に実施されたビットコインの大型アップグレード「タップルート」によって有効化された新しいアドレス形式で、「bc1p」から始まる。
タップルートは、2017年のセグウィット(Segregated Witness:SegWit)以来の大型アップグレードで、ビットコインネットワークのスケーラビリティ問題を解消するために実装された。手数料が安くなり、トランザクション処理が短時間で行えるよう設計されている。また、複数の署名が1つに集約されたことで、トランザクションの区別が困難になり、プライバシーの強化も図られている。
コインベースは今年5月、ビットコインのライトニングネットワーク(Lightning Network:LN)の導入も行った。このネットワークでは、トランザクション毎に受信側のユーザーが生成した請求書を送信側のユーザーへ送付する必要がある。送信側は受信側から共有された請求書をBTC送信時に登録することで、LNによるBTC送信が可能になる。そのため、このLNはコインベースのユーザー同士が利用できるものとなっている。
さらに、コインベースは9月からラップドビットコイン「cbBTC(Coinbase Wrapped BTC)」をベース(Base)とイーサリアム(Ethereum)上で展開している。cbBTCはイーサリアムのトークン規格ERC-20に準拠した暗号資産で、コインベースが保有するBTCに1:1で裏付けられている。具体的には、BTCがコインベースアカウントからベースまたはイーサリアムのアドレスに送信されると、自動的に1:1でcbBTCに変換される。また、コインベースアカウントでcbBTCを受け取ると、1:1でBTCに変換される。
9月21日には、cbBTCがソラナ(Solana)上で展開予定であることも発表されている。