「神」の名の下に…『ワンピース』天竜人の数々の凶行とその影響

「神」の名の下に…『ワンピース』天竜人の数々の凶行とその影響

『ONE PIECE』の世界で最も悪名高い存在の1つが、世界貴族「天竜人」です。彼らは800年前に世界政府を創設した「創造主」の末裔であり、圧倒的な権力を有しています。天竜人は自分たちを「神」と称し、非人道的な行為を犯しても咎められることはありません。彼らが危害を受けると、海軍大将が駆けつけるほどの手厚い保護を受けています。

天竜人の住む聖地「マリージョア」は、現在、革命軍による兵糧攻めにより、空腹にあえぐ姿も見られ、ネット上では「いい気味だ」という声も上がっています。天竜人はこれまでどのような悪行を重ねてきたのでしょうか?

天竜人の初登場は「シャボンディ諸島編」です。天竜人が通る道では、人々がひざをつき、奴隷が脱走を試みるも首輪が爆発させられてしまいます。また、天竜人の1人「チャルロス聖」が看護師の女性「マリィ」を13人目の妻にするために強制連行を試み、それを止めようとした彼女の婚約者は銃殺されました。

「シャボンディ諸島」でのチャルロス聖の蛮行は、その後も続きます。主人公「モンキー・D・ルフィ」が奴隷オークションで、チャルロス聖が5億ベリーで買おうとしていた人魚「ケイミー」を救おうとしたとき、ルフィを制止しようとした魚人族「ハチ」を銃で撃ち、「魚人を仕留めたえ~!!」と子供のように飛び跳ねてはしゃいだシーンは、多くの読者に強い嫌悪感を与えました。

さらに、その後明かされた「ゴッドバレー事件」の真相も、天竜人の非道さや理不尽さを際立たせています。「ゴッドバレー事件」は、海軍の英雄「モンキー・D・ガープ」と海賊王「ゴール・D・ロジャー」が手を組んで、天竜人とその奴隷を守り、「ロックス海賊団」を打ち破った事件として知られていました。しかし、実態は天竜人による「先住民一掃大会」と称した人間狩りでした。天竜人がゲーム感覚で島の住民を次々に殺していく様子は、まさに地獄絵図でした。

天竜人は多くの人々の人生を狂わせてきましたが、最も被害を受けたのは元王下七武海であり革命軍の一員でもある「バーソロミュー・くま」でしょう。幼少期に天竜人の奴隷とされていたくまは、天竜人が原因で両親を失いました。また、天竜人から逃れた後も愛する女性を拉致され、その女性は病気を治してもらうことなく死を迎えました。拉致された際に天竜人との間に生まれた子供が「ボニー」です。くまは、遺されたボニーを娘として愛情たっぷりに育てましたが、彼女もまた難病を発症し、くまは天才科学者「Dr.ベガパンク」のもとを訪ねました。すると天竜人の最高位である五老星の1人「ジェイガルシア・サターン聖」から、ボニーを治療する代わりにくまへ人間兵器になるよう交換条件を出され、それを受け入れました。

「エッグヘッド編」でボニーとサターン聖が対峙した際、彼女たちがかかった難病はサターン聖がジニーに対して行った薬物実験の副作用だったことが明かされました。サターン聖は、くまやジニー、そしてボニーの人生を狂わせた元凶ともいえます。

現在の天竜人周辺では、兵糧攻めのほかにも、最高権力者「イム様」によってサターン聖が消されるという不穏な空気が広がっています。天竜人は今後、どのように物語に関わってくるのでしょうか。