紫金山・アトラス彗星、千葉房総半島の夕空で肉眼でも美しく確認

紫金山・アトラス彗星、千葉房総半島の夕空で肉眼でも美しく確認

夕空で美しい尾を見せる「紫金山・アトラス彗星」。10月13日の夕暮れ時、国内の各地で観測された。千葉県館山市や茨城県つくば市では、肉眼でも淡い彗星から上空に向かって白く伸びる尾がきれいに確認できた。肉眼でこれほど鮮明に見える彗星は、1997年のヘール・ボップ彗星以来とみられる。

紫金山・アトラス彗星は、太陽系の外側で無数の微小天体が存在する「オールトの雲」から来たと推測されている。2023年に中国・紫金山天文台などで発見され、今年9月28日に太陽に最も近づいた近日点を無事通過し、10月13日に地球に最接近した。

国立天文台によれば、彗星は15日頃まで1.5~3等程度の明るさが予想されている。その後は徐々に暗くなっていくものの、今月中頃までは夕暮れ後の西空で比較的見やすい位置にあるため、観測が期待できる。その後は太陽系外へ戻り、二度と戻らないと見られている。

彗星の本体(核)は大部分が氷で、少量のガスやちりを含んでいる。この彗星は何かの影響で太陽に近づく軌道に変化し、地球から観測されるようになった。太陽に近づくことで表面の氷が蒸発し、放出されるガスやちりが尾を形成する。