F1 2024シンガポールGP FP2: ノリスが最速、角田4位でレッドブル上回る
F1 2024 シンガポールGP FP2 レポート
シンガポールのマリーナベイ市街地サーキットで開催されているF1第18戦シンガポールGPのフリー走行2回目(FP2)が行われ、マクラーレンのランド・ノリスが最速タイムをマークした。レッドブルの角田裕毅は4番手につけた。
セッションの概要
夜の帳が下りたマリーナベイでは、無数のLEDライトがコースを照らし、闇夜に浮かび上がった。気温は30度、路面温度は33度、湿度は74%と、赤道直下のシンガポール特有の蒸し暑さが続いた。1時間のセッションが開始され、各車が次々とコースインした。FP2は予選や決勝と同じ時間帯に行われるため、マシンのセットアップを煮詰める上で非常に重要なセッションとなっている。
セッションの進行
セッションの序盤は、ミディアムタイヤやハードタイヤを使用するのが主流だった。各チームは実走行時の気流を確認するため、フロービズを利用したマシンの空力チェックを実施した。FP2でも路面の改善が見られ、走行を重ねるごとに各車のタイムが更新された。硬いハードタイヤでミディアムタイヤ勢を上回るドライバーもいた。
1セット目のタイヤで各車は7~8周程度周回し、その中でフェラーリのシャルル・ルクレールがミディアムタイヤで暫定トップに立った。ハードタイヤ勢では角田が最速を記録した。
一方、レッドブルのマックス・フェルスタッペンはフロントとリヤ双方でグリップを感じられないと無線でチームに伝えた。また、ルイス・ハミルトンは直角コーナーでのトラクションで苦戦しているようだった。F1キャリア3戦目となるウイリアムズのフランコ・コラピントは、アルピーヌのピットボックスに止まってしまうという新人らしいミスを犯した。
セッションが20分を経過すると、ウイリアムズ勢からソフトタイヤが投入され、他チームもこれに続いた。予選想定プログラムが開始され、各車がアタックを行った。タイムシートは目まぐるしく変動し、マクラーレンのランド・ノリスが1分30秒727をマークしトップに立った。ルクレールが2番手で続いた。この2台は1分30秒台と、他の集団から抜けた形となった。
上位陣のパフォーマンス
レッドブルの角田裕毅は4番手、ダニエル・リカルドは6番手と、親チームのレッドブル勢を上回った。レッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは苦戦気味で、フェルスタッペンは15番手、ペレスは8番手に終わった。
セッション後半は決勝レースに向けたロングランが主なプログラムとなった。ノリスやフェルスタッペンはまずユーズドのソフトタイヤで走り始めたが、ウォールに接触。一度ピットで確認した後、再び走り出した。各車は精力的にロングランを実施し、メルセデスのジョージ・ラッセルはセッション最終盤にターン8で曲がりきれずフロントからクラッシュ。自走でピットに戻ることができたものの、脱落したフロントウイングがターン8に残ってしまったことから、イエローフラッグが振られる中FP2が終了した。
結果と展望
最終的に、ノリスがFP1含め初日最速。ルクレールが0.087秒差の2番手で肉薄した。ロングランではノリスがソフトタイヤ、ルクレールがミディアムタイヤで1分37秒台前半の安定した周回を刻み、この2台による優勝争いを予感させた。3番手のカルロス・サインツJr.は1発のタイム、ロングランペースでもトップ2からは一歩遅れる形となった。4番手の角田はハードタイヤでロングランを実施し、1分38秒台中盤で安定したペースを刻んだ。
中団勢では、ウイリアムズが好調RBの脅威となる可能性がある。メルセデス勢はラッセルが7番手、ハミルトンが11番手。レッドブルはペレスが8番手、フェルスタッペンが15番手と、この2チームは上位集団の中で初日後れを取った印象だ。ただし、ロングランではフェルスタッペンとラッセルがミディアムタイヤで1分37秒台のペースで周回するなど、レースに向けて明るい兆しもある。
FP3以降も路面は改善傾向にあると考えられ、FP2での結果がそのまま予選・決勝に反映されるとは限らない。各車の燃料搭載量も未知数であるため、2日目以降に勢力図が変化する可能性もゼロではない。シンガポールGPの今後の展開に注目が集まる。