宝塚歌劇団星組トップ娘役舞空瞳、華麗なる退団公演で新たな旅立ちを告げる
星組トップ娘役舞空瞳、宝塚大劇場での退団公演で別れを告げる
宝塚歌劇団の星組トップ娘役、舞空瞳が22日夕、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で退団公演「政界コメディ『記憶にございません!』」「カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul-Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。
公演終了後のサヨナラショーは、「ロミオとジュリエット」の「いつか UN JOUR」で幕開け。舞空瞳はピンクのドレスを纏い、単身で大階段に立ち、ソロで歌唱した。その後、星組トップの礼真琴が加わり、2人でデュエットを披露。ダンサーとしての「トップ・コンビ」の魅力を存分に発揮し、観客を魅了した。
サヨナラショーでは、「めぐり会いは再び next generation」から「ミッドナイト・ガールフレンド」のソロも展開。最後はステージ中央で待つ礼真琴のもとへ飛び込み、抱きついて約20分のサヨナラショーを締めくくった。
最後の大階段を下り、正装の緑のはかま姿で挨拶を始めた舞空瞳は、「受験の日、宝塚大橋からこの宝塚大劇場に『どうか合格させてください』と頭を下げましたこと、今でも覚えています」と、宝塚音楽学校の受験時の思い出を語った。その後、入団し、初舞台を踏んだ時の心境を振り返り、「不安や緊張もありましたが、まぶしいライトを浴びて、お客様の拍手や温かさに、自然と涙があふれたこと、すべて心に刻まれています」と感謝の言葉を述べた。
舞空瞳は、隣に立つ礼真琴に笑顔を向け、「自分の心の弱さ、もろさにもたくさん気づかされました。どんな時も尊敬する礼さんが、絶対に手を離さずに、ここまで導いてくださいました」と、礼真琴への感謝の気持ちを語った。客席を見渡し、「パッションあふれる星組の皆さま、スタッフのみなさん、応援してくださったお客様の支えがあったからこそ、私は『宝塚歌劇団が好き』。その思いでここまで来られたのだと思います」と、感無量の表情で思いを伝えた。
舞空瞳の挨拶を受け、礼真琴は「8月の半ば、真夏。猛暑に始まりましたこの公演。夏の暑さに負けない熱さで頑張りたい。その思いが強すぎたのか、9月の半ばも過ぎて、この暑さになりました」と笑いを誘い、舞空瞳らも和ませた。続けて、「大きな笑い声、熱い拍手で盛り上げていただいたからこそ、私たちは元気にここへ立たせていただいております」と感謝の言葉を述べ、「サヨナラショーで何倍にも輝きを増し、東京公演も駆け抜けて参ります」と約束した。
いったん幕が閉じた後、再びステージに姿を見せた舞空瞳は、感極まった表情で「朝から愛を感じすぎて、痛いぐらい愛がいっぱいで、今日この舞台を、皆さんと一緒に過ごせたことが、かけがえのない宝物になりました」と語った。これに礼真琴が「痛かった? ごめんね、ありがと」と返し、客席をわかせていた。
舞空瞳の退団公演は、東京宝塚劇場で10月19日に開幕し、12月1日の東京千秋楽をもって、通算本拠地8作で退団する。
舞空瞳の経歴
舞空瞳(まいそら・ひとみ)は1994年8月27日、横浜市生まれ。2016年、102期の首席として宝塚音楽学校に入団し、花組に配属された。2017年、「ハンナのお花屋さん」でタイトルロールとなるハンナに抜てきされ、18年には明日海りお、柚香光で話題となった「ポーの一族」で、明日海演じる主人公の妹メリーベルを演じた。同年、「MESSIAH」で新人公演初ヒロイン、「メランコリック・ジゴロ」で全国ツアー初ヒロインも務め、19年4月に星組へ組替え。同年10月14日付で、星組トップの礼真琴に相手娘役として迎えられ、「首席入団トップ・コンビ」として注目を集めた。
舞空瞳の退団は、彼女の輝かしいキャリアの終焉を告げるものであり、多くのファンが彼女の活躍を惜しんでいる。宝塚歌劇団での経験は、彼女の芸術家としての成長に大きく貢献し、今後の活動にも大きな影響を与えることだろう。舞空瞳の新たな道のりが、多くの人々に希望と感動をもたらすことを期待したい。