月育ちJKの地球留学:『ルナリアンJKと夏』の魅力と作者の近未来SFへの情熱
『ルナリアンJKと夏』:月育ちの女子高生が地球に留学
近未来を舞台に、月で生まれ育った女子高生が地球に留学する様子を描いた漫画『ルナリアンJKと夏』が、そのユニークな設定と可愛らしいキャラクターで話題を集めています。本作はX(旧Twitter)に投稿され、多くの読者を魅了しています。今回は、作者の帝政ミサギさん(@Konwashi_2)に、制作の背景やこだわったポイントについて話を伺いました。
本作を制作したきっかけ
帝政ミサギさんは、元々イラストを描いていたそうですが、漫画を描いた経験はほとんどなかったそうです。ストーリー作りやキャラクターの動きに苦手意識があったものの、創作活動の中でそれを克服するための練習として漫画を描き始めました。その4作目が『ルナリアンJKと夏』です。
設定の着想
本作の設定は、地球外の国家や人々についてのぼんやりとした考えから始まったそうです。帝政ミサギさんは、生まれ育つ環境によって文化や価値観が大きく異なることを考えました。特に月という極端な環境では、その違いがより顕著になると感じました。6分の1の重力、快適に整備された環境、そして限られた物資。月育ちの女子高生にとって、地球は過酷な星に見えるかもしれませんし、無尽蔵に物資がある贅沢な星に見えるかもしれません。この価値観の違いを漫画にすることで、面白いストーリーが生まれると考えました。
ファンタジーな世界観の表現
帝政ミサギさんは、本作を遠い未来ではなく、それほど遠くはない近い未来に感じてもらえるようこだわりました。例えば、登場する車は現代のものとさほど外見が変わらず、飛んだりワープしたりもしません。しかし、電気で動く自動運転車で、高校生でも免許を取得できます。冒頭のシーンでは、宇宙旅客機が現代のスペースシャトルと旅客機を合わせたようなクラシックな外見で描かれています。この宇宙旅客機が大気圏に突入する場面では、実際にありそうな機内放送を描くことで、作中が中途半端な未来であることを簡潔に表現しています。
ゆるい作風の魅力
本作の魅力の一つは、女子高生の日常をファンタジーな世界観で表現している点です。海や重力など、地球人にとっては当たり前のものでも、月育ちにとっては全く異なるものに感じられます。これを表現するために、より当たり前のものを身近に感じられるゆるい雰囲気で描くことにこだわりました。ただし、ストーリー作りに慣れていないことや、シリアスな物語よりもゆるい物語が好きであることも、この雰囲気になった理由の一つです。
近未来SFへの思い
帝政ミサギさんは、記憶に残っていない頃からSFが好きだったそうです。現実の制約に満足できないことから、SFを描くことで自分の見たい未来を創り上げられることが、創作の原動力となっています。物理法則や時間、政治経済など、現実は制約だらけですが、本作のような発展した未来を見ることで、現実のつまらなさから逃れることができます。
今後の展望
帝政ミサギさんは、ストーリー作りやキャラクター作りが間に合っていないだけで、形にしたい世界観がたくさんあるそうです。今後は、宇宙旅行や宇宙学校などを舞台に、ゆるい雰囲気で世界観重視の作品を描いていきたいと考えています。将来的には、コミックマーケットに参加することも目標としています。
また、Xでは本作の続編『ルナリアンJKと夏+秋』も掲載されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
『ルナリアンJKと夏』は、月育ちの女子高生が地球に留学するユニークな設定と、可愛らしいキャラクターで多くの読者を魅了しています。作者の帝政ミサギさんは、ストーリー作りやキャラクターの動きに苦手意識があったものの、創作活動の中でそれを克服し、本作を生み出しました。近未来の設定や、地球と月の文化の違いを描くことで、ファンタジーな世界観を表現しています。今後も、宇宙を舞台にしたゆるい雰囲気の作品を期待しています。