にじさんじの海妹四葉：明るい笑顔と豊かな表現力で魅了するVTuber

海妹四葉：にじさんじの明るい笑顔と豊かな表現力

にじさんじは現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つとして知られています。その中でも、タレントたちの活躍の場は日々拡大しており、生配信だけでなく、事務所主導の企画への参加や監修、個々のライバーが主導する歌ってみた動画など、多様な活動が行われています。さらに、エンターテインメントのフィールドでアーティストとして活躍する者も増加しています。

にじさんじは、育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー（VTA）」から新規ライバーがデビューし始め、現在約150名のメンバーが所属・活動しています。その層の厚さは、今後も大きな影響を与え続けることが期待されています。

今回は、天ヶ瀬むゆや先斗寧と共にRanunculusのメンバーとして活躍する海妹四葉（うみせ よつは）について紹介します。

デビューと初期の活動

海妹四葉は2022年3月16日にSNSに初投稿し、3月20日に初配信を行いました。同期の天ヶ瀬むゆと先斗寧と共にデビューを果たし、ロングヘアーに頭の上部におだんごを2つ作り、首にネクタイを締めた黄色がキーカラーの明るい装いで活動を始めました。

海妹は、同期の天ヶ瀬むゆと先斗寧と同様に、途切れなく話を進めるタイプですが、2人が淡々と話すのに対し、声のキーが少し高く、声や話し方に抑揚をつけているのが特徴的です。喜怒哀楽がうまく伝わり、アップテンポな話しぶりが快活な印象を与えます。また、ツリ目気味で勝ち気な印象を与える一方で、配信では大きく目を見開く「顔芸」も得意で、おバカキャラのような明るさが魅力です。

3Dビジュアルの魅力

海妹のイメージをより補強する要素の一つが、「にじ3D」こと3Dビジュアルの存在です。これはANYCOLORが自社開発したアプリケーションを用いて3Dビジュアルを使った配信が可能なシステムで、スタジオで3Dモデルを使った配信や動画制作ができます。海妹よりも先輩のタレントたちも長年使用しており、ファンにとっても馴染み深い存在ですが、実際に使用するタイミングやタレントはLive2Dに比べると少なめです。

しかし、手や首、目の動きが細かく描写されるため、身振り手振りが大きいタレントはより「本人性」を表現できます。海妹も自分の感情を伝えるために、「なんだろうなぁ」「なんていうんだろうなぁ」と、良い言い回しや例えを考えながら手を動かして話すことが多いです。

コラボレーションと交流

にじさんじには、海妹のようなタイプの話し手が多く、アンジュ・カトリーナも手をクルクルと動かしながら話すタイプです。海妹は、デビュー直後からアンジュとのコラボ配信で出会っており、出会った当初からフランクに話していた二人は、2024年1月に1年半ぶりの2度目のコラボ配信を行いました。1年半ぶりとは思えないほどテンポ良く会話する二人の様子から、感情や感受性が豊かであることが伺えます。

同配信では、「ボディランゲージが激しい2人ですが、コップやグラスを倒した経験は？」「上手に雑談できるようになりたいのでアドバイスが欲しい」など、リスナーからのさまざまな質問に答えていました。話す話題を事前に準備するタイプのアンジュと、その場のひらめきで答える海妹との違いが明らかになるなど、見どころの多い配信でした。

雑談配信の魅力

海妹が「にじ3D」を使用するのは主に雑談配信の時です。しかし、身振り手振りを交えたり、顔芸も駆使しながら話す彼女の一面は、朝・昼・夜・深夜とどんなタイミングでも変わることがありません。配信をつければ、「いつもの明るい海妹四葉」がいつでもそこにいると思わせてくれます。

彼女の配信の中で最も多く行われているのが雑談配信で、デビュー直後から毎週月曜朝6時に「朝はぴ」という定期的な雑談配信を行っています。これ以外でも雑談配信の回数が多いため、「海妹といえばとびきりの笑顔」というイメージが定着しています。

「朝はぴ」は彼女の活動において重要な位置を占める定期配信であり、YouTubeチャンネルのヘッダーでも大きくアピールされています。彼女にとってこの雑談配信がいかに大切なのかが一目で分かります。夜の深い時間になると眠気に襲われる姿を見せることもありますが、それすらも隠すことなく配信で見せるため、オープンマインドで裏表のない性格が伝わってきます。

ゲームプレイの多様性

雑談配信以外では、海妹がプレイするゲームにも注目が集まります。『Apex Legends』『原神』『あつまれ どうぶつの森』「ポケモン」シリーズなどの有名タイトルから、『Subnautica』などのインディゲームまで、幅広くプレイしています。気になったゲームはなんでもプレイする姿勢が伺えます。

最近にじさんじ内で開催された『にじさんじOW杯』では、出場メンバーではなかったものの、練習カスタムに欠員が出た際に助っ人として参加しました。配信で一度もプレイしたことがなかったため、リスナーから心配のコメントが飛んだものの、実はオフの時間に1人でプレイすることが多く、「なにかあったら呼んでください」と主催側の夕陽リリに伝えていたそうです。配信外でハマっているゲームの1つである『Overwatch』について、「エイムがいらないところがいい」と語っていました。

ゲームプレイの印象深いエピソード

海妹が時おり見せる勢い任せな一面は、ゲームプレイ中や配信途中に現れることもあり、笑いを呼ぶことが多いです。特に印象深いエピソードは、2022年6月4日に開催されたグウェル・オス・ガール主催の『APEXにじさんじカスタム』での出来事です。最終戦では「武器無し・殴りのみ」という縛りプレーで、自チームの周囲に集まった敵チーム全員を安全地帯外へ殴り飛ばし、見事にチャンピオンに輝きました。まだデビューして数か月の新人が、諸先輩たちを迷うことなく殴って殴って殴ってチャンピオンとなる姿は、当時のファンにとって大きな衝撃でした。

この日は直前に『第9回CRカップ』が開催されており、こちらにも海妹は参加していました。大会は練習カスタム期間でエラーが頻発し、ゲームタイトルを『Fall Guys』と『Golf it!』の2作に変更して開催されました。急なゲーム変更にもかかわらず、海妹は夕方5時から『第9回CRカップ』でSeoldamとあどみんの2人と、その夜に開催された『APEXにじさんじカスタム』で葛葉と安土の2人と、連続して「カロリーの高い」大会をプレイし、面白シーンを生み出しました。

コラボレーションの広がり

これらの大会後、海妹はさまざまなコラボに誘われるようになりました。明るいキャラクターと愛嬌の良さで存在感を放ち、アンジュとの最初のコラボもこの月に行われました。現在は「チームIDD ～アイドルダンス同好会～」として共演することがあるシスター・クレアやレイン・パターソンともコラボしています。

3Dビジュアルとダンス

3Dビジュアルを使用できるようになって以降、海妹は自身のチャンネルを中心に踊ってみた動画を投稿することが多くなりました。運動が得意なタイプと思われがちですが、意外とスポーツは苦手だそうです。高校ではチアリーディング部に所属しており、この経験がダンスに慣れていったきっかけだったと想像できます。

3Dビジュアルになった海妹が注目を集めるのは、ダンスだけでなく、所作や動きにもあります。彼女はどこか姿勢が悪く、歩いたり座ったりする際にガニ股になってしまいがちです。ファンやリスナーの間でも姿勢の悪さやガニ股は広く知られており、知らない視聴者ですら「海妹の姿勢が凄い」「ゴリラみたい」と注目されることがあります。VTA所属時代にガニ股を矯正するように指摘されていたものの、結局治らなかったそうです。

昨年レインが主催した『第1回にじさんじバレーボール最高ペア選手権大会』では、星川サラの代わりとして出場し、大股でうさぎ飛びしながら登場し、大股の状態から何度も腰を低く落とすなど、独特の動きでリスナーを笑わせました。

メンタルの不調と復調

海妹は、ある時期からメンタルの不調を自覚しており、今年5月から6月にかけて約1か月ほど配信を休んでいました。しかし、6月1日に復帰した配信では、激しくなっていた気持ちの浮き沈みが穏やかになっていることを語り、今後は元気なタイミングで配信していくことをリスナーに伝えました。弾けるようなパッションで配信を盛り上げていく海妹四葉の活躍が、長く続くことを願うばかりです。