任天堂とポケモンが『パルワールド』開発会社に特許侵害訴訟
東京・渋谷の任天堂直営店「Nintendo TOKYO」にて、9月19日、ゲーム業界の大手企業である任天堂(京都市南区)と株式会社ポケモン(港区)が共同で、株式会社ポケットぺア(品川区)に対する特許権侵害訴訟を東京地裁に提起したと発表しました。
任天堂の発表によれば、この訴訟は「被告(株式会社ポケットぺア)が開発・販売するゲーム『Palworld / パルワールド』が複数の特許権を侵害しているとして、侵害行為の差止および損害賠償を求めるもの」だそうです。
パルワールドの概要
『パルワールド』は、不思議な生物「パル」が暮らす世界を舞台にした、最大32人での協力プレイが可能なオープンワールドサバイバルクラフトゲームです。2024年1月19日にPC(Steam)でアーリーアクセスが始まり、家庭用ゲーム機でもXbox OneおよびXbox Series X|SのGame Previewでリリースされました。さらに、サブスクリプションサービスのXbox Game Passにも含まれています。
発売からわずか1ヶ月で、『パルワールド』はプレイヤー数2500万人を突破し、Steam版では約1500万本、Xbox版では約1000万人に到達したと報告されています。ユーザーからの反応も非常に高く、特に『ポケモン』のデザインとの類似性が指摘されることがありました。そのため、株式会社ゲームフリーク(千代田区)が開発している『ポケットモンスター(ポケモン)』シリーズとの類似性が話題になり、任天堂の対応が注目されていました。
株式会社ポケモンの声明
このような状況を受け、株式会社ポケモンは2024年1月25日に「他社ゲームに関するお問い合わせについて」という声明を発表しました。声明では、
「お客様から、2024年1月に発売された他社ゲームにつきまして、ポケモンに類似しているというご意見と、弊社が許諾したものかどうかを確認するお問い合わせを多数いただいております。弊社は同ゲームに対して、ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません」
と明確に述べました。さらに、
「なお、ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取ARESTいく所存です」
という方針を示しました。
SNSでの反応
訴訟の発表後、SNSでは様々な反応が寄せられています。
「パルワールド訴えられた!?!?」 「ついに動き出した……果たしてどうなるか……」 「特許権がどこを指しているのか気になるところ…」 「これはめっちゃ結果気になるな……」
と、予想していたユーザーや、結果が気になるというコメントが多く見られました。ただし、任天堂と株式会社ポケモンが提訴したのが「特許権侵害訴訟」であることは注目に値します。デザインなどの知的財産権の侵害訴訟ではなく、具体的にどの部分が特許を侵害していたのかは、今後の裁判の中で明らかになっていくものとみられます。
『パルワールド』の今後
株式会社ポケットぺアは、7月10日に株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントおよびグループ会社の株式会社アニプレックスとの三社によるジョイントベンチャー「株式会社パルワールドエンタテインメント」を設立したばかりです。この新会社は、『パルワールド』の各種ライセンス事業を集約し、世界的にIPを拡大することを目指しています。今回の訴訟の結果によって、今後の展開に大きな影響があることが予想されます。
まとめ
任天堂と株式会社ポケモンが『パルワールド』の開発会社である株式会社ポケットぺアに対する特許権侵害訴訟を提訴したことは、ゲーム業界に大きな波紋を投げかけています。特許権を巡る争いが今後どのように展開されるのか、そして『パルワールド』の今後がどうなるのか、多くの Gaming 及び法律関係者の注目を集めています。