テレビから消えてほしいバラドルランキング:視聴者の本音とバラドルの現状

テレビから消えてほしいバラドルランキング:視聴者の本音とバラドルの現状

テレビから消えてほしいバラドルランキング

最近、SNSの不適切投稿が炎上し、芸能活動を休止に追い込まれたフワちゃん(年齢非公表)。彼女のレギュラー番組からは名前が消え、収録済みの番組でも出演部分がカットされて放送されるなど、ついにテレビから姿を消した。では、フワちゃんに続いて、もう見たくない「テレビから消えてほしいバラドル」とは誰か?30代~60代の男女計500人にアンケート調査を実施した結果は以下の通り。

10位:みちょぱ(25)

「うかつな発言など、自意識過剰がにじみ出ていて品がない」(山形県・55歳・女性)、「見飽きた」(千葉県・68歳・男性)と、10票を集めランクイン。芸能評論家の宝泉薫さんは、「ギャル枠というのがバラドルにはあって、古くは鈴木奈々、ゆきぽよなどもそう。でも結局のところ彼女たちは何の芸も持ってない」と指摘する。ギャル枠で世に出るバラドルは多いが、誰もが似通っていて、代えがきくのも事実だという。

9位:藤田ニコル(26)

「仕事にやる気を感じない」(東京都・42歳・女性)、「腹黒い二面性が見え隠れしている」(茨城県・41歳・男性)と、13票獲得。宝泉さんは、「番組で梅沢富美男を転がしていたころが全盛期。もう十分、芸能界を楽しんで、次のステージに行ったという印象がある。芸能界はある種腰かけで、やる気を感じないというコメントは非常に的確」と分析する。昨年、俳優の稲葉友と結婚し、自身が理想としていた「25歳で結婚」の夢を叶えた藤田だが、「そんなに器用に生きるならもう出てこなくていいのに、という意識がこの結果に表れていると思います。それでも出てくるのはちょっと欲張りすぎだと思われる。僕はここでキレイに去ったほうがいいと思う」と宝泉さんは述べる。

8位:村重杏奈(26)

「たいして可愛くないのに自画自賛しすぎ」(神奈川県・57歳・女性)、「ただただうるさいだけ。面白いと思ったことがない」(栃木県・67歳・男性)と、14票獲得。宝泉さんは、「彼女はいわば“ジェネリック指原(莉乃)”。アイドルグループ出身で、毒を吐けるということで、なんとかここまできているけれど、やっぱり中身は何もない。ジェネリックですらないのかも」と評する。HKT48出身の村重は芸人志望と言い、令和のバラエティー女王を自称しているが、「人に芸を見せてなんぼ、というのが芸人の仕事。そのへんを彼女は学べていない。毒を前面に出せば面白がってもらえると勘違いしてる。でもそんな女性は世の中にはたくさんいる。それこそ夜のお店に行けば、こんな感じの人はいっぱいいそうじゃないですか」と宝泉さんは指摘する。

7位:磯野貴理子(60)

「出しゃばりな感じが鼻につく」(東京都・54歳・男性)、「若い人と結婚、離婚して嫌な印象が残る」(福井県・63歳・女性)と19票。宝泉さんは、「イス取りゲームはもう満杯だから、そろそろ若い人に譲ったら、という感覚がみなさんあるのでは」と分析する。磯野はお笑い女性アイドルグループ「チャイルズ」でデビューし、40年近く前のこと。「1980年代半ばに井森美幸、森口博子、山瀬まみが出てきたのがバラドルの始まり。彼女たちがなぜバラドルになったかというと、松田聖子あたりからアイドルが増えすぎたから。売れないアイドルがいかに生き残るか模索して行きついたのがバラドルだった。それ以降売れなくなったアイドルがバラドルに転向してなんとか生き残った。ただ井森はバラドルのレジェンドになったけど、磯野は残念ながらそこまでなれなかった」と宝泉さんは述べる。

4位:千秋(52)

「声が嫌い」(愛知県・44歳・男性)、「自分勝手な独走が続いてどうしようもない」(大阪府・43歳・女性)、「人柄が嫌」(埼玉県・55歳・女性)などの意見が集まり、22票。宝泉さんは、「バラドルとしての賞味期限はとっくに終わっているのに、見たくないバラドルとしての賞味期限は終わってない。その最たる例」と指摘する。最近は露出もグッと減り、舌鋒も弱まったと指摘する。「『ノンストップ!』で週に1回見るくらいだけど、ずいぶんおとなしくなったなと思います。本人はもっと頑張りたいのだろうけど、今後に伸びしろを感じられない。紅白にも出てちゃんと売れた時期があったし、視聴者にしてみればもう十分という感じなのでは」と宝泉さんは述べる。

4位:ゆきぽよ(27)

「反社系の恋人が複数いたことを売りのエピソードとして語っておいて、実際に元恋人が捕まると無関係のフリをしていたのは無理がある」(大阪府・58歳・女性)、「清潔感が足りない」(北海道・57歳・男性)とのコメントが。宝泉さんは、「やっぱり犯罪絡みは厳しい。特に薬物、窃盗、暴力は視聴者が受けつけない」と指摘する。知人男性がゆきぽよの自宅でコカインを使用し逮捕。ゆきぽよも薬物検査を受けた。「テレビ的には毒舌でも、無毒であることが大前提。実際に毒があるとシャレにならない。攻める系だった人に弱みができるともう一気に失速しますよね。フワちゃんもそう。要するに本物感が出ちゃうとマズイということ」と宝泉さんは述べる。

4位:若槻千夏(40)

「態度がでかくて口調がきつい」(大阪府・51歳・男性)、「品がなく、面白いわけでもなく、教養もなく、どうして起用されるのかわからない」(山口県・64歳・男性)との声が集まり、22票。宝泉さんは、「グラドルも一時飽和状態で、そこからバラドルになった人がたくさんいた。でも結局グラドルって歌を歌うでも芝居をするわけでもない、何もない人たち。若槻さんは若い女性の感性を代表するようなスタンスでいたけれど、彼女も年を取ってしまった」と指摘する。最近は微妙な空気になっている。「品がない人ってやっぱり年を重ねるごとにつらくなってくる。最近また炎上騒動がありましたが、20代前半のころなら失言も許される可能性があっても、この年では常識を知らないおばさんになるだけ」と宝泉さんは述べる。

3位:鈴木奈々(36)

「うるさい」(島根県・67歳・男性)、「下品な感じが好きではない」(東京都・58歳・女性)、「リアクションがわざとらしい、大げさ、話がつまらない」(千葉県・42歳・男性)と、28票獲得。宝泉さんは、「彼女は印象度の強さゆえのランク入り。たくさんテレビに出ていたころに、うざいと思った嫌な感覚がまだ持続しているのだと思う」と分析する。最近は露出が減ったが、「嫌だなって感じたときの印象って結構長引くもの。なので他に同じようなキャラが新たに出てこない限り、こうしたランキングに今後もずっと居残っていくはず。ネタにしていた彼氏と離婚しちゃったり、そのあたりも微妙。ちょっと痛い人のポジションになってきている印象があります」と宝泉さんは述べる。

2位:指原莉乃(31)

「面白くないし、普通の人」(神奈川県・52歳・女性)、「フワちゃんと仲が良いから」(富山県・43歳・男性)、「自分がバラエティーの中心にいるような話し方をするので気分が良くない」(長野県・32歳・男性)と、49票獲得。宝泉さんは、「旬が終わったんでしょうね。出てきた当初は意外と頭が良く、トークもでき、自虐もできる、むしろ好感度のあるタレントでした。でも最近は彼女自身のポジションが上がり、番組でも強めのコメントを求められるようになってきた。大御所タレントにツッコめる人というスタンスになっているけど、それは安全な芸風ではないし、嫌だと思う人も中にはいるはず」と分析する。バラエティー番組で頭角を現し、MCを務める番組も増えたが、「決定打は今回のフワちゃんの一件。ここ数年、指原って実はそんなにいい子じゃないんじゃないの、という空気があった。そこで親友がああなると、世の中的に指原もあっちの人かと思われてしまう。どこか胡散臭い人と見られるようになってしまった」と宝泉さんは述べる。

1位:あの(年齢非公表)

「目上に対する態度が悪い」(愛知県・51歳・男性)、「見た目も性格も作り物めいて気味が悪い」(神奈川県・55歳・男性)、「キャラクターが好きじゃない」(大阪府・64歳・男性)と、67票。宝泉さんは、「露出の量も反映されていると思う。見ていて鼻につくというのは、ある意味、旬の証拠でもある」と指摘する。昨年末『紅白歌合戦』に初出場し、幅広い層に認知を広げた。ブレイク中の印象があるが、「やはりキャラクターで、ああいう芸風は一定数嫌いな人が生じてくる。特に今の男性は、メンヘラ的でこじらせている女性ってめんどくさいと思いがち。いずれにせよ、ちょっと出すぎてる、持ち上げられすぎてるなっていう感覚が男女共にあるのでは」と宝泉さんは述べる。

バラドルの現状と未来

トップ10にズラリと並んだバラドルたち。彼女たちの個性はさまざまで、その個性がもてはやされもすれば、嫌われる要素にもなり得てしまう。テレビにとってバラドルはカンフル剤と宝泉さんは指摘する。「今の時代バラドルは大変で、嫌われるポジションになっている。だいたい最初からバラドルを目指す人はいなくて、アイドルなど別のジャンルで行き詰まって、バラドルに活路を見いだす人が多い。そういう歴史を考えると、本来バラドルは不要なんですよね。いなくてもいいものがテレビに出る違和感がある。それでも昔はみんな面白いと思って見てた。でも今は面白がる若者がいなくなってきてる」と宝泉さんは述べる。テレビ離れが進む昨今、バラドルの存在はより不安定なものになりつつある。「今の時代、テレビにとってバラドルはある種のカンフル剤になっている。なんとかもたせよう、にぎやかさだけを保とうとカンフル剤を打ちまくってる。バラドルというのは皮肉な存在で、テレビの持つ浮ついたものを象徴している。そんな時代に、バラドルはどこへ行くのでしょうか」と宝泉さんは締めくくる。

フワちゃんの次に姿を消すバラドルは誰か─。このアンケート結果は、テレビ業界の現状と未来を映し出す一端を示している。