2014年のカターレ富山:J1昇格の夢からJ3降格の現実へ…。歯車が狂った1年
2024年の明治安田J2リーグでザスパ群馬は苦しい戦いを強いられた。34試合を終えた時点で勝ち点17、勝利は3つにとどまり、来季のJ3降格が確定している。ザスパ群馬のような苦戦を強いられたクラブは過去にも多く存在する。ここでは、J2リーグで散々な成績を残した主なチームを紹介する。
カターレ富山(2014年) 2014年の成績は5勝8分29敗で、勝ち点23に終わった。監督は安間貴義だった。
カターレ富山は「2015年にJ1昇格プレーオフ進出」を中間目標に掲げていたが、2014年はその目標に遠く及ばなかった。シーズン開幕前には戦力の充実を急いだ。白崎凌兵の期限付き移籍期間を延長し、FC東京からU-21日本代表の中島翔哉をレンタルで獲得。既存の実力者である苔口卓也やソ・ヨンドクとの化学反応を期待し、上位進出を目指した。
しかし、開幕から9戦未勝利で最下位に沈み、スタートダッシュに失敗。一時は順位を上げたものの、第16節終了時には再び最下位に転落した。シーズン途中には中島のFC東京への復帰や、ソ・ヨンドクの蔚山現代(現・蔚山HD)への完全移籍といった主力の流出も発生。宮吉拓実や前貴之といった即戦力を補強したが、第39節の栃木SC戦で1-0で勝利したものの、最下位が確定し、J3降格が決定した。
この結果、カターレ富山が掲げていた「2015年のJ1昇格プレーオフ進出」は実現不可能となり、クラブの強化計画は大幅に変更を余儀なくされた。J3リーグに主戦場を移した2015年以降、富山は一度もJ2昇格に手が届いていない。
2014年は大いなる躍進の第一歩を目指したシーズンだったが、J2リーグを戦った最後のシーズンとなってしまったのは、クラブとして大いに不本意な結果だった。