生田絵梨花、初のEP『capriccioso』を携えたツアーで感動のファイナル

生田絵梨花、初のEP『capriccioso』を携えたツアーで感動のファイナル

生田絵梨花、9月20日パシフィコ横浜で「Erika Ikuta Tour 2024『capriccioso』」ファイナル公演

生田絵梨花が9月20日、神奈川県のパシフィコ横浜 国立大ホールでライブツアー「Erika Ikuta Tour 2024『capriccioso』」のファイナル公演を行った。このツアーは、彼女のソロアーティストとして初の音源作品となる1st EP「capriccioso」を携えて、埼玉、愛知、大阪、宮城、東京、神奈川の計6カ所を回ったものだ。生田は今野均(Violin)、伊賀拓郎(Key)、田中陽(Dr)、堀崎翔(G)、一本茂樹(B)と共に、EPの収録曲やカバー曲など全19曲を披露した。

「ビートDEトーヒ」でギターに挑戦

EPのタイトル「capriccioso」は「気ままに」「気まぐれに」という意味の音楽用語。ステージに姿を現した生田はピアノの前に座り、「気ままに気まぐれに楽しんでいきましょうー!」と告げて「Laundry」を弾き始めた。軽やかな空気をまとい、洗濯機を回しているときに生まれたというユニークなこの曲をハミングするように歌う生田。さらに「I’m gonna beat you!!」を楽しげに届け、「すでにとても満たされた気持ちですが、ここから皆さんにとって忘れられない1日になるようにがんばっていきたいと思います!」と挨拶した。

EPにも収録されている藤井風の「ガーデン」と森山直太朗の「花」のカバーをゆったりと届け、心地のいい空気を生み出した生田。続いて彼女は「次はチャレンジコーナーです!」と声を弾ませ、アコースティックギターを手に取った。生田が弾き始めたのは、濱家隆一(かまいたち)とのユニット・ハマいくのデビュー曲「ビートDEトーヒ」。生田が紡ぐ温かなギターの音色にオーディエンスのハンドクラップが重なる。生田はギターを弾きながらラップを繰り広げるという技も見せ、見事にチャレンジを成功させた。前回のツアーでは「ビートDEトーヒ」でバイオリンを弾き、今回2回目の挑戦をやり遂げた生田は「私、夢があるんです! バイオリンもギターもバンドメンバーに先生になってもらって教えてもらったんですけど、ドラムとウッドベースもチャレンジしてみたいです!」とメンバーのほうを見る。さらに「『ビートDEトーヒ』で駆け回って全部の楽器を弾きたい!」と目を輝かせながら野望を語った。

「ウィッシュ」コーナーから「昭和夏ソングコーナー」まで展開

ここからは生田が主人公アーシャの日本版声優を務めるディズニー100周年記念作品「ウィッシュ」の楽曲コーナーに突入した。生田はアーシャのイメージカラーである紫のペンライトの光に彩られながら、まずは「ようこそ!ロサス王国へ」を届ける。スクリーンに映し出されるアーシャの自由奔放で可憐なさまと、笑顔で伸び伸びと歌う生田の姿が自然と重なり、会場に温かな空気が広がった。「誰もがスター!」では「スター!」の掛け声が会場ににぎやかに響き渡る。そして生田は「ウィッシュ~この願い~」をスケール感たっぷりに歌い上げ、客席から大喝采を浴びた。

その後、生田はMAMAMOOの「HIP」をクールに歌い踊ってオーディエンスを魅了。ピアノの前に座ると、前回のツアーでも反響の大きかったIVEの「ELEVEN」をダイナミックなバンドアレンジで披露した。続いて生田は「昭和夏ソングコーナー」を展開。生田がスタンドマイクの前に立ち、ピンク・レディーの「渚のシンドバッド」を元気いっぱいに届けると、会場には大きな「いくちゃん!」コールが沸き起こった。ラッツ&スターの「め組のひと」では、おなじみの「めッ!」の決めポーズで会場が大盛り上がり。サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」ではにぎやかなコール&レスポンスとタオル回しが繰り広げられた。

皆さんに「大丈夫だよ」と言える存在であれるように

ライブ終盤、生田は熱いコールを浴びながらYOASOBIの「アイドル」をパフォーマンス。表現豊かに歌い踊ったあと、大サビではエモーショナルにピアノを演奏した。「皆さん、愛してます! 最高だよ!」と生田は叫び、「きっと今この瞬間、世界で一番ここが熱かった自信があります!」と会場を見渡す。そして「自分が弾いていて皆さんが聴いてくれている表情や温もりを感じると、『大丈夫だよ』『聴いてるよ』『ありがとう』という声が聞こえてくる感じがするんです。私ががんばるのはもちろんなんだけど、皆さんがそういう思いで一生懸命私の歌を受け取ろうとしてくれてることに感謝してるし、皆さんの大好きなところです」と愛おしそうに語った。

「今はみんなで笑い合って、みんなの最高の顔を見れている。だけど1人になったときに、みんな今と違う顔を持ってるかもしれない。何か抱えていたり悲しいことを抱えていたり、苦しさがあるかもしれない。私は皆さんのその顔までは見ることはできません」と話す生田。彼女は「だけど、こうやって皆さんが集ってくれたこの瞬間に寄り添い合いたいのはもちろん、皆さんが家に帰って1人になって落ち込んだときも『ここにいるよ』って言える存在でありたいと思っています。今日みたいな時間を一緒に共有したあと、その思い出が皆さんの日常の中でも少しでも思い浮かぶと幸せです。誰とも会いたくないときに『ちょっと音楽でも聴いてみようかな?』って、私の音楽を聴いてくれたらそれは本当にうれしいこと。皆さんがちょっとでも出かけてみよう、何かやってみよう、進んでみようと思えるきっかけになれたらいいなと願っています」とまっすぐに観客に語りかけ、「そんなふうに皆さんに『大丈夫だよ』と言える存在であれるように、これから進んでいきたいなと思っていますので、その道を一緒に歩んで、皆さんと景色を共有できたらうれしいなと思っています」と晴れやかに述べた。最後に生田はそんな思いを込めるように、人と人が支え合っていく姿が描かれた「だからね」を歌唱。オーディエンスの心に寄り添うように優しくこの曲を届け、彼女は笑顔でステージを去っていった。

みんなで一緒に音楽を奏でている感覚

大きな拍手に呼ばれてステージに再び登場した生田は、アンコールで連続ドラマ初主演作品「素晴らしき哉、先生!」の主題歌である竹内まりやの「歌を贈ろう」を伸びやかに歌い上げる。さらに12月20日にスタートするミュージカル「レ・ミゼラブル」より、自身が演じるファンテーヌの歌唱曲「夢やぶれて」を届け、切なくも美しい歌声を凛々と響かせた。ここで生田は「今までの公演だったら次が最後の曲になるんですけど、皆さんに聴いてもらいたい曲があります」と話を切り出し、「今回ツアーを回る中で皆さん1人ひとりと時間を過ごして、バンドメンバーやライブチームと一緒に音楽を奏でて、そこで感じたことを曲にしたいなと思って書いてきました」と述べた。作曲をバンドメンバーの伊賀、作詞を生田が手がけたという新曲のタイトルは「シンフォニー」。生田はツアーを振り返り、「みんなで一緒に音楽を奏でている感覚を感じました。それぞれの個性や歩み方は違うけど、同じ場所に集って温もりを渡し合って、優しい空間が生まれてるんだなと思って。それで『シンフォニー』という言葉が浮かんで、この曲を作ってみました」と話した。生田はライブで感じた思いをたっぷりと詰め込んだ「シンフォニー」をオーディエンスに贈る。歌い終わると生田は充実した表情を浮かべ、「こうやって1つ皆さんへの気持ちを形にすることができてうれしいなと思います!」と声を弾ませた。

ラストナンバーはコロナ禍に生田が初めて作詞作曲した楽曲「No one compares」。最後に生田は「誰もあなたと比べられるものはない。それぐらいあなたは特別な存在」という思いを込めたこの曲をピアノで弾き語り、会場の景色を目に焼き付けてステージをあとにした。

セットリスト

  • 生田絵梨花「Erika Ikuta Tour 2024『capriccioso』」2024年9月20日 パシフィコ横浜 国立大ホール
  1. Laundry
  2. I’m gonna beat you!!
  3. ガーデン(藤井風)
  4. 花(森山直太朗)
  5. ビートDEトーヒ
  6. ようこそ!ロサス王国へ
  7. 誰もがスター!
  8. ウィッシュ~この願い~
  9. HIP(MAMAMOO)
  10. ELEVEN(IVE)
  11. 渚のシンドバッド(ピンク・レディー)
  12. め組のひと(ラッツ&スター)
  13. 勝手にシンドバッド(サザンオールスターズ)
  14. アイドル(YOASOBI)
  15. だからね <アンコール>
  16. 歌を贈ろう(竹内まりや)
  17. 夢やぶれて
  18. シンフォニー
  19. No one compares