『Fate/Samurai Remnant』: 江戸時代の聖杯戦争を描くアクションRPG

『Fate/Samurai Remnant』: 江戸時代の聖杯戦争を描くアクションRPG

江戸時代を舞台にした『Fate』シリーズのアクションRPG

2023年(令和5年)9月28日、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)用ソフト『Fate/Samurai Remnant』(フェイト/サムライレムナント)が発売されてから1周年を迎えました。

この作品は、TYPE-MOONとコーエーテクモゲームスのコラボレーションによって制作された『Fate』シリーズの最新作です。江戸時代を舞台に、願いを叶える願望機“盈月(えいげつ)”を巡る聖杯戦争を描いたアクションRPGで、7人のマスターと呼び出された7体の英霊(サーヴァント)が争うという設定や、マスターと英霊の絆を描くストーリー、徐々にサーヴァントの真名が明らかになる展開など、『Fate/stay night』を想起させる要素が多数含まれており、ファンにとっては「これ、これ!」とうれしい内容となっています。特に、主人公の宮本伊織とセイバーが最初に出会うシーンは、『Fate/stay night』の主人公・衛宮士郎とセイバーが出会うシーンがモチーフとなっており、ファンの心を揺さぶります。

主人公の宮本伊織は、宮本武蔵の養子にして弟子です。彼の相棒となるセイバーは、古風な装束に身を包んだ性別不詳の麗人です。江戸の町を自由に歩けるのも本作の特徴の一つで、江戸の町並に興味津々のセイバーは知らないものを見つけるとすぐに走り出していってしまいます。この姿が子どもみたいでかわいらしいため、町を探索するのが楽しいです。また、本作に登場するセイバーは、『Fate/stay night』のセイバーと同じく、食いしん坊であるところが魅力的です。特に、お米が大好きで、美味しそうにご飯を食べるセイバーの姿を観ていると微笑ましくなります。

その他の陣営のマスターとサーヴァントも個性豊かで、複数の陣営が共闘するシーンや入り乱れて戦うシーンもあり、先の読めない展開にワクワクさせられます。特に、バーサーカー陣営のサーヴァント・宮本武蔵は、『Fate/Grand Order』でもおなじみのキャラクターですが、本作では主人公の師匠という重要な立ち位置になります。過去のインタビューによると、宮本武蔵はシブサワ・コウさんのお気に入りのキャラクターでもあり、最初に本作への参戦が決まったとのことです。

また、本作ではマスターを持たない逸れ(はぐれ)のサーヴァントも多数登場します。クー・フーリン、アルジュナ、李書文など、関連作品に登場したサーヴァントが物語を彩るため、『Fate』シリーズを追ってきたファンにとっては、さらに楽しめる部分があります。シリーズ常連のギルガメッシュが巴比倫弐屋(ばびろにや)という縮緬問屋で登場したときは、「今回はそうきたか」と笑ってしまいました。

本作には異傳(いでん)というサイドストーリーが存在しており、そこで各陣営や逸れサーヴァントのストーリーも深掘りされます。バトル部分はアクションで、マスターやサーヴァントを操作して戦う内容です。主人公の伊織は最大で5つの型を切り替えることができ、初期は重い一撃を食らわせる“地の型”と素早い攻撃が特徴の“水の型”を使用可能。交代ゲージが最大になるとサーヴァントと交代でき、強力な技で一気に攻めることができます。共鳴ゲージを消費することで発動できる“共鳴絶技”はエフェクトが派手で爽快です。

ゲームを進めていくと、自陣と敵陣で霊地となるマスを取り合っていく“霊地争奪”も登場します。シミュレーションゲームのようなシステムになっており、絆を結んだ逸れのサーヴァントを別動隊として動かしたりできるため、頭を使う要素も多くて新鮮です。

本作は3つのDLCも発売されており、本編で活躍するキャラクターだけでなく、DLCで初登場するサーヴァントなども存在します。追加エピソード3作をセットにしたパックも発売中なので、ぜひチェックしてみてください。

『Fate』シリーズを知っていれば楽しめる要素も多いものの、まったく知らなくても楽しめる作品です。まだ遊んだことがない人は、この機会にプレイしてみてください!