上方落語界の新風、4代目桂梅枝と5代目桂慶枝がダブル襲名披露
大阪・なんばグランド花月で開かれたW襲名披露公演
大阪・なんばグランド花月で、上方落語家の桂枝光改め4代目桂梅枝と、桂三風改め5代目桂慶枝が27日、ダブル襲名披露公演を行った。この公演には、梅枝の兄弟子で慶枝の師匠の桂文枝や、東京から柳亭市馬らが出席し、2人の新たな門出を祝った。
襲名披露の舞台
口上では、文枝が「枝光もいい名前ですが、音だけ聞くと(歯垢で)歯医者にかかり、三風は(シャンプーで)風呂場で頭を洗わなアカン感じ」とイジりながら、「思いっきり頑張って名前を大きくして、自分の好きな噺家像を作ってほしい」と激励した。この言葉に、会場は笑いに包まれた。
梅枝の新たな出発
梅枝は、先代の5代目文枝(2005年死去)の生前の芸名・小つぶ、枝光から2度目の襲名となった。亡き師匠の形見の羽織りを着て、古典「替り目」の自己流バージョンを披露した。終演後、梅枝は「2度目でちょっと緊張しましたが、楽しい舞台ができた。今日から梅枝伝説を作っていきたい」と、新たな決意を語った。
慶枝の挑戦
一方、慶枝は主に取り組んでいる新作落語ではなく、古典「愛宕山」で観客を笑わせた。1984年の入門から40年、「何も風を起こせなかった」とマクラで自嘲気味に語ったが、終演後は「ゴロっと自分を変えたい。師匠方から励ましの言葉もいただき、これを機に吉本興業で活躍できる落語家になってやろうと思います」と、力強い決意を表明した。
慶枝の地域貢献
慶枝は滋賀出身だが、定期的に落語合宿や公演で訪れた縁で、2016年から自民党新総裁に選ばれた石破茂氏の地元・鳥取県八頭町の観光大使を務めている。「力を頂いた。私も天下を取るぐらいの気持ちで頑張りたい」と、さらなる活躍への意気込みを語った。
今後の予定
梅枝と慶枝は、今後、全国15か所で襲名披露公演を行う予定だ。この公演を通じて、2人は新たな名前で多くの観客を魅了し、上方落語の伝統を守りつつ、新たな風を吹き込むことを目指している。
結び
今回の襲名披露公演は、梅枝と慶枝の新たな出発を祝うとともに、上方落語の未来への期待を高めるものとなった。2人の活躍が、日本の伝統芸能の発展に大きく貢献することを願ってやまない。