HPE Aruba Networking Centralの機能強化:異機種ネットワークの管理とAI自動化の進化
日本ヒューレット・パッカード、クラウド型ネットワーク管理サービス「HPE Aruba Networking Central」の機能強化を発表
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は、クラウド型ネットワーク管理サービス「HPE Aruba Networking Central」の機能強化を発表した。このアップデートでは、サードパーティ製ネットワーク機器の監視機能が追加され、AIを用いたネットワークの自動化が改善される。
サードパーティ製ネットワーク機器の監視機能追加
今回の機能強化は、HPEが2023年3月に買収したOpsRampのテクノロジーをHPE Aruba Networking Centralに統合することで実現した。これにより、サードパーティ製のネットワーク機器を監視対象に追加することが可能となった。具体的には、Cisco Systems、Juniper Networks、Palo Alto Networksなどの無線アクセスポイント、スイッチ、ルーター、およびファイアウォールが対象となる。
これらの製品から得られる洞察をHPE Aruba Networking Centralに集約することで、異機種混在のネットワーク環境の可視性が向上し、健全性の監視や迅速な障害対応が可能になる。また、一部のデバイス構成も行えるようになり、ネットワーク管理者の負担が軽減される。この機能は2024年末までにパブリックプレビューとして提供される予定だ。
AIを用いたネットワークの自動化の改善
AIを用いたネットワークの自動化機能も大幅に改善される。OpsRampの「Digital Experience Monitoring」機能とAruba側の「HPE Aruba Networking User Experience Insight」機能がネイティブに統合される。これにより、ユーザーからアプリケーションに至るまでのサービスレベル合意(SLA)の順守状況を継続的に監視できるようになる。
具体的には、ユーザーのエクスペリエンスを詳細に分析し、ネットワークのパフォーマンスやアプリケーションの動作状況をリアルタイムで把握できる。これにより、ネットワーク管理者は問題が発生した際に迅速に対応でき、ユーザーの満足度を向上させることができる。この機能は10月中にパブリックプレビューで利用可能になる。
その他の機能追加
HPE Aruba Networking Centralでは、大規模ネットワークを効率的に構成できるよう、有線/無線/ゲートウェイ製品を構成するための構成モデルや新しい階層型構成など、90以上の新機能が追加される。これらの機能により、ネットワーク管理者はより複雑なネットワーク環境でも容易に構成や管理を行うことができる。
例えば、新しい構成モデルは、ネットワークの設計や展開を簡素化し、一貫性と効率性を向上させる。また、階層型構成機能は、ネットワークの構造を明確に可視化し、管理の容易性を高める。これらの機能は、ネットワーク管理者が日々の業務をより効率的に行うことを支援する。
結論
HPE Aruba Networking Centralの機能強化は、ネットワーク管理者にとって大きな利点をもたらす。サードパーティ製ネットワーク機器の監視機能の追加とAIを用いたネットワークの自動化の改善により、異機種混在のネットワーク環境の管理がより容易になり、ユーザーのエクスペリエンスも向上する。さらに、90以上の新機能の追加により、大規模ネットワークの構成や管理がより効率的に行えるようになる。これらの機能強化は、現代の複雑なネットワーク環境において、ネットワーク管理者の業務を大幅に支援するものと期待される。