プレミアリーグWEST: 大津高の心臓、畑拓海が守備とゲームメークでチームを牽引

プレミアリーグWEST: 大津高の心臓、畑拓海が守備とゲームメークでチームを牽引

大津高の“心臓”と評されるMF畑拓海(3年)は、FC KAJITSU U-15出身の選手だ。プレミアリーグWEST第16節で大津高が帝京長岡高に5-1で勝利した試合でも、畑の活躍が目立った。

山城朋大監督は畑について、「畑が人を捕まえながらも、スペースを埋める作業がかなりスムーズになってきた。相手の小さな距離感のところを自分で1人2人くらいをスペースで見ながら潰す回数がかなり高いレベルだ」と評価している。また、多くのJリーガーや日本代表を育成してきた平岡和徳テクニカルアドバイザーも、「ほんとに“心臓”になってきた」と称賛している。

畑自身も、「前線から山下(景司)と兼松(将)がプレスに行ってくれて、その空いた穴を埋めに行くことを意識していたので良かった」と振り返る。また、畑が特に意識しているのは「自分の後ろにこぼさないこと」だ。本人は満足していなかったものの、試合前にチーム全体が求められていたことをアンカーの位置でしっかりと表現していた。

大津高の選手は新人戦の時期から、球際でアグレッシブにいくことを求められてきた。失敗も経験してきたが、その経験が今、力になっている。この日は特に前半、相手よりも深いアプローチでインターセプトを連発。畑は守備力の向上も評価されている一人だ。

「以前は奪い切るという動作が全然できなくて、距離は詰められるけど、最後のところを見てしまったりして、抜かれる回数が多かった。でも、抜かれる回数が増えてもいいので、とにかくボールにトライして、アグレッシブに抜かれてもいいという意識で守備にトライしている」と畑は語る。元々攻撃的なポジションを務めていた技巧派の畑は、現在、攻守で存在感を放っている。

前日、プレースキックが好調だった畑は、この日もプレースキッカーを務め、先制アシストを記録。長短のパスでゲームメークし、距離の長いスルーパスをFW山下景司(3年)へ通すなど、得意とする攻撃面でも力を発揮していた。畑は守備のリスク管理や攻撃も俯瞰して見ながらゲームをコントロールするアンカーとして、チームの“心臓”になっている。

“心臓”という評価について、畑は「ありがたいことですし、もっとコントロールしないといけないなと自分でも思っています。チームを勝たせる確率を上げられるような選手になりたい」と意気込んでいる。身長167cmの小柄なMFは、プレミアリーグや選手権で優勝を目指して、さらに進化を続ける。