「Tripo AI for Web」:テキストから3Dオブジェクトを瞬時に生成する新サービスの検証
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
以前、画像から3Dモデルを作成する「TripoSR」をご紹介しましたが、新たに「Tripo AI」が3Dモデル生成サービスを開始しました。これから数回にわたり、このサービスを検証していきます。
「Tripo AI」は、機械学習により、テキストまたは画像から数秒で3Dモデルを作成するサービスです。機械学習による3Dモデル生成の分野においては、前述の「TripoSR」でそこそこの成果があがっています。
まずは登録してみましょう。ページの[Get Started for Free]または右上の[Sign up/Log in]をクリックします。メールアドレスの入力ダイアログが表示されます。まず[privacy policy]と[terms of service]のリンク先でプライバシーポリシーとサービス規約を確認し、了承できればチェックボックスをクリックします。他のAIによる生成サービス同様、入力したプロンプトや画像の入力データがAIのトレーニングに利用されることや、生成したモデルは運営にも利用権があること、「パブリック」エリアに公開したモデルは他のユーザーも自由に使えること、著作権や肖像権を侵害する物や公序良俗に反する物の送信は禁止と明記されています。プライベートな用途には向かないでしょう。
次にメールアドレスを入力し、[Send Code]をクリックすると、ワンタイムパスワードがメールで送られてきます。このコードを白い入力フィールドに入力し、[Log In / Sign Up]ボタンをクリックすれば登録またはログインできます。パスワードによるログインや、Google アカウントでも登録・ログイン可能なようですが、今回は検証していません。
登録後、サービス内のトークン(Credit)が表示されます。無料の「Basic」ユーザーは毎月600 Credit配布されます。プランは「Price」タグから表示できます。サブスクリプションユーザーの「Professional」と「Premium」ではさらに多くのCreditが配布され、追加のCreditも1 Credit=$0.01で購入できます。また、「Enterprise」プランも用意されていますが、要相談です。
モデルを出力するモードが2種類あります。1つめは、プロンプト文字を入力した時に、背景に浮かんでいる既存のサンプルから生成・ダウンロードするモード。これはCreditを5しか消費しない代わりに、高度な機能が使用できません。2つめは、[Enter]キーやプロンプト入力フィールドの隣のボタンを押した時のモード。こちらはアニメーション用の設定やメッシュの最適化機能が利用できますが、生成に最低60 Creditかかります。
プロンプトの入力例として、「Cat」と入力すると、様々なバリエーションのモデルが表示されます。気に入ったモデルをクリックすると、生成されたモデルが閲覧できます。[Download]をクリックすると、モデルがダウンロード可能で、5 credit消費します。
モデルは「glb」形式で生成され、テクスチャファイルも同梱されています。商用サービスだけあり、すでにマテリアルが設定済みで、テクスチャも同梱されているため、「Blender」にドラッグ&ドロップするだけで表示できます(「Blender 4.1」以降)。
再び[Create]ページに戻り、次は「2つめのモード」を使ってみましょう。プロンプト入力欄の隣にある[Create]と[Popcorn]のいずれかを実行すると、4つのモデルを提案します。これらはアカウントに残りますが、作成だけで60 Credit消費します(再生成も同様)。
[Create]では、単純に入力したプロンプトに応じたモデルを提案してくれます。[Enter]キーを押した際も同じ動作をします。一方、[Popcorn]はキャラクターの提案をするプロンプトを生成し、それに沿ったモデルを生成してくれます。例えば、「a whimsical young girl with butterfly wings, wielding a paintbrush that leaves trails of stardust, creating colorful worlds as she flies」(蝶々の羽を持つ気まぐれな少女、星屑の軌跡を残すペイントブラシを使い、彼女が飛ぶとカラフルな世界が生成される)というプロンプトで生成されたモデルがあります。
4つのうちの1つを選ぶと、高度な設定(アニメーション用のリグの追加や、用途別のポリゴン数に減らしたモデルの生成)ができるようになります。
次回は[Create]と[Popcorn]の各種機能の解説を予定しています。ではまた。