琉球ゴールデンキングスの脇真大、プレッシャーを乗り越え新たな役割を確信「自分に何ができるかを知った」

琉球ゴールデンキングスの脇真大、プレッシャーを乗り越え新たな役割を確信「自分に何ができるかを知った」

琉球ゴールデンキングスの脇真大が、今オフのプレシーズンで活躍を見せている。昨シーズンは12月中旬に白鷗大をインカレ制覇に導いた後、特別指定選手として琉球に加入。しかし、2月に左肩脱臼の故障を負い、7試合の出場にとどまった。故障から回復した今オフは、プレシーズンで先発起用が多く、平均20分以上の出場機会を得ている。フィジカルを生かした力強いドライブと激しいプレッシャーをかけるディフェンスで存在感を示し、チームの主力の一員としての活躍が期待されている。

脇はチームの仕上がりについて、「プレシーズンを7試合やりましたが、最初のイタリア遠征の時よりも良い状況で、チームは前進しています。ただ、まだ噛み合っていない部分も多少あるので、コミュニケーションを取っていければ去年よりも良いチームができると思います」と語る。

昨シーズンまで攻守の中心を担っていた今村佳太の穴を埋める存在として、脇には大きな期待が寄せられている。彼は「最初はプレッシャーをとても感じていました」と振り返るが、試行錯誤の末に自身が担うべき役割が見えてきた。「チームが勝つために、僕には何ができるのかをずっと探しながらプレシーズンを戦ってきて、何となくですが自分がやるべきことが明確になってきました。それをしっかりとやっていけば自ずと結果に繋がりますし、チームメート、スタッフ、そしてファンの皆さんの期待に応えられると思っています」と意気込んでいる。

大学時代の脇は、コンタクトの強さを生かしたアタックを武器としていた。B1リーグでは高さとフィジカルの面で外国籍ビッグマンが待ち構えているが、引き続きドライブを強みにしていきたいと語る。「最初に特別指定で入ってきた時はプロの壁を感じましたが、練習を重ねていくことで大丈夫になってきています。フィジカルに関しては苦手ではないので、そこは問題ないと思っています。ただ、外国籍選手たちの高さはすごいので、ドライブのフィニッシュに関するスキルを磨いていかないといけないです。今は佐々(宜央アソシエイトヘッドコーチ)さんからもいろいろと教えてもらっています。ドライブからの得点は武器の一つにしたいです」

今シーズンも大学で活躍した多くの有望株たちがプロバスケットボール選手として新たなスタートを切る。脇は大学1年時から先発を勝ち取り、2年時から中心選手となり、2年時と4年時に優勝、3年時には準優勝と、群を抜いた実績を残してきた。しかし、本人は「大学時代の結果はうれしかったですが、今の自分はそれを表に出す必要はないと思っています。プロでは新しい自分のスタートです。Bリーグでどんどん結果を残していきたいだけです」と、前だけを見ている。

大学時代に凌ぎを削った同世代の選手たちにはプロに入っても結果で遅れをとる気はなく、新人賞への意欲も見せる。「チームが勝つことが第一です。それにプラスして自分が賞を取れるのが1番良いことだと思っているので、新人賞は狙っていきたいです」

脇は即戦力として大きな注目を浴びながらプロバスケ選手としてのスタートを切る。プレシーズンでは3ポイントシュートを積極的に打つことを意識しており、「3ポイントを打てることができれば、ディフェンスも前に出てきてドライブに行ける場面も増えます。その意味でも積極的に狙っていきたいです」と語る。

複数の主力の移籍は大きなピンチだが、同時に新たな力が台頭するチャンスでもある。現状維持は後退というスタンスで新陳代謝を恐れないチーム作りを行なってきた琉球の哲学を体現する存在として、脇こそが今シーズンの琉球の浮沈の鍵を握る選手となる。