広島ドラゴンフライズ、EASLで新たな頂点を目指す[Bリーグチャンピオンの挑戦]
広島・朝山正悟ヘッドコーチ(HC)が「てっぺんを取りにいく」と意気込んでいる東アジアスーパーリーグ「EASL」が10月2日から開幕する。広島ドラゴンフライズは、Bリーグ優勝チームとしてグループAに所属し、韓国の水原KTソニックブーム、台湾の桃園パウイアンパイロッツ、フィリピンのサンミゲル・ビアメン、香港イースタンと対戦する。
グループAの試合は変則ラウンドロビン形式で6試合が行われ、上位2チームがファイナル4に進出。広島は昨シーズンの主力メンバーを引き続き起用し、さらなる成長が期待されている。特に注目されるのは、昨季で現役を引退し、カイル・ミリングの後を受けてHCに就任した朝山正悟の手腕だ。
朝山HCはEASLについて「スケジュール的にはかなりタフになりますし、1シーズンの試合数や移動距離も増えるので、選手への負担については様々な面を考慮しながら進めていきます。国際大会を経験できる機会なので、大きな成長につなげていかなければなりません。EASLにもBリーグにも全力で向き合って、てっぺんを取りにいく。そのチャンスがあると思っています」と語っている。
EASLでは外国籍選手の登録枠が2枠とBリーグよりも1枠少ないため、外国籍選手の負担が増えると予想される。広島は日本人ビッグマンの市川真人や帰化選手の河田チリジの起用法、スモールラインナップでのトランジションの速いバスケットボールを展開することで、対策を講じる必要がある。
広島の初戦は10月16日、エフピコアリーナふくやま(福山市総合体育館)で香港イースタンと対戦。香港イースタンは4月のバスケットボールチャンピオンズリーグ・アジア(BCLアジア)予選で、ピックプレーを多用するハーフコートバスケを披露し、207cmのセンター、クリス・マクラフリンが平均16.0得点、11.2リバウンドをマーク。さらにアメリカ人SFキャメロン・クラークが新加入し、広島にとって厄介な相手となる。
12月4日には敵地で水原KTソニックブームと対戦。水原KTは韓国代表のスコアリングPGホ・フンや204cmのセンター、ハ・ユンギがいるが、昨季のリーグ得点王パリス・バスの流出は痛手。新加入のアメリカ人インサイド、ラショーン・ハモンズの活躍が注目される。
12月25日と2025年1月22日には桃園パウイアンパイロッツと対戦。桃園パウイアンパイロッツは昨季レギュラーシーズン1位に導き、シーズンMVPを獲得したチュン・シャン・ルーと、ダブルダブルを期待できるトレベオン・グラハムが主軸。しかし、最優秀外国籍選手賞を受賞したジェイソン・ウォッシュバーンが移籍したため、新たな形を見出すことが求められる。
最後に2025年1月8日にはサンミゲル・ビアメンと対戦。サンミゲル・ビアメンは1975年設立でPBA最多の1200勝を達成し、コミッショナーズカップでは29度の優勝を誇る。チーム最大のスターは211cmのフィリピン代表、ジューン・マー・ファヤルド。3Pシュートは苦手だが、得点とリバウンドでダブルダブルを記録する選手だ。さらにE.J.アノシケ、マルシオ・ラシター、CJ.ペレス、クリス・ロスといった経験豊富な選手がいるが、平均年齢32.5歳という最年長チームであるため、広島としてはテンポをコントロールしながら体力を削っていきたい。
「てっぺんを取りにいく」という朝山HCの言葉を実現するために、まずはグループラウンドでトップ2に入ることが条件となる。2023-24シーズン、「下剋上じゃけぇ!」を合言葉に頂点に立った広島が、Bリーグ代表としてどのような戦いを見せるのか、注目が集まっている。