19日、東北新幹線で前代未聞のトラブルが発生

東北新幹線大混乱:走行中の連結外れトラブル

19日、東北新幹線で前代未聞のトラブルが発生し、走行中の新幹線の連結が突然外れ、重大な事故につながりかねない事態となりました。このトラブルは利用客にも大きな影響を与え、運行の混乱を招きました。

不安げな表情の乗客が改札の方向を見つめ、駅員が乗客への対応に追われている様子が目立ちました。中には、大きなスーツケースを手に立ちすくむ人もいました。

宮城県仙台駅にいた人の声

「新幹線、動かないので」

「いつ動くんですかね」

19日朝、東北新幹線の東京~新青森駅の上下線で運転を見合わせる事態となり、宮城県仙台駅は混乱に見舞われました。東京から仙台に向かう途中の栃木県宇都宮駅でも同様の混乱が起きました。この混乱の理由は、走行中の東北新幹線で起きたトラブルにありました。

線路上で停車した赤い車両「こまち」と、離れた場所に停車していた緑の車両「はやぶさ」の連結が、東京方面に向かって走行中に外れ、分離したというものです。反対側の線路を走行していた別の新幹線から撮影された写真には、今回トラブルを起こした緑の車両「はやぶさ」が車窓の先に写り、連結部分の機器がむき出しになっています。

この写真が撮影された際、新幹線内では次のようなアナウンスが流されていました。

「車両故障が発生しています。現在、状況を確認しています。この列車におかれましてJR社員おられましたら、車掌までお申し出ください」

今回のトラブルにより、反対側を走行していた新幹線も緊急停止しました。新幹線内では「JRの職員がいないか」を緊急で呼びかける異例の事態となりました。午後1時すぎには全線で運転を再開しましたが、約4万5000人に影響が出た今回のトラブルとなりました。

東京駅から福島駅に向けていた男性シェフの話

「(弟子の)店のオープンのお祝いに行きます」

弟子が福島で飲食店をオープンするため、お祝いにかけつけるはずでしたが、新幹線が足止めに合い、1時間後に新幹線が再開しました。

「(新幹線が)出発を3時間遅れ」

新幹線が再開し、今日中に福島に行けることを弟子に電話で報告すると、福島で飲食店を開店する弟子は次のように言いました。

「いや、なんか泣きそうです」

今回のトラブルの詳細

今回のトラブルの詳細ですが、現場付近を走行していた新幹線は時速約315キロで走行していました。いったい何が起きたのでしょうか?

午前7時半過ぎ、岩手県の盛岡駅で連結した「はやぶさ」と「こまち」が東京方面に向かって走り始めましたが、8時7分頃、仙台駅より手前の宮城県古川駅から南に6キロほど進んだ場所で、連結が外れる事態に見舞われ、線路上で停車しました。

鉄道の専門家である梅原淳氏は、以下のように指摘しました。

「電気のスイッチで連結を切り離すんですが、それが走行中に作動してしまって、ロック解除されて連結器が外れた。電気によって連結を操作している東北新幹線ですが、今回は走行中に電気系統にトラブルが発生し、ロックが解除されたことで分離してしまった可能性があります」

さらに、梅原氏は次のように述べています。

「分離した新幹線同士が追突していた可能性もあるので、連結器が外れるということは重大な事態です」

JR東日本は、当時の運転士の行動について「いきなり自動でブレーキがかかり、何かあったと思い非常ブレーキをかけた」と説明しています。その後、運転士がモニターを見たところ、分離していることに気づいたということです。

詳細な原因はまだ明らかになっていませんが、連結して運転する96編成全てを目視で検査するとのことです。今後の調査と対応が期待されています。