YouTubeで急増する“搾乳動画”の問題点とその影響

YouTubeで急増する“搾乳動画”の問題点とその影響

YouTubeで急増する“搾乳動画”が物議を醸している

YouTubeで「搾乳器」と検索すると、「搾乳入門」といったタイトルの動画が多数投稿されている。これらの動画は、一体どのようなものなのでしょうか?

ある動画は600万回近く再生され、その内容は驚くべきものでした。動画の投稿者は、普段は都内の病院で看護師として働いているシングルマザーで、2歳の子供がいるという女性です。彼女は動画の中で、「今日は搾乳についてお話してきたいと思います」と語り始めます。

動画は、搾乳器の使い方を実演するものでした。別の動画でも、投稿者は「今日は皆さんと一緒にお勉強をしてきたいと思います。何のお勉強かというと、こちら搾乳器になります」と説明しています。そして、突然服をまくり上げ、胸を露出させ、搾乳器を実際に使用する様子を映しています。

「これをここに当てます。すごい搾られている感じがします」と彼女は語り、視聴者に搾乳器の使用感を伝えています。ほとんどの「搾乳動画」が、実際に胸を露出させて実演していたことが確認されています。これらの動画は、投稿から1カ月ほどで200万回以上再生され、中には600万回近く再生されたものも存在します。

授乳をしている母親たちは、これらの動画に対して不快感を示しています。

「0歳児を持つ母親」は、「搾乳を普段からする身としては嫌。友達のママもあり得ないと言っていた」と語っています。また、「子育てしている身としては、こういう感じで(搾乳器を)使ってほしくない」という声も聞かれます。

20代の女性は、「かわいらしい女の人が(動画を)やっているので、見てる層が想像できて気持ち悪い」と述べています。

YouTubeの規定では、「性的満足を与えることを意図したコンテンツの投稿を禁止する」と明記されています。しかし、「教育目的」であれば、性的なコンテンツが許可される場合もあるとされています。この規定の抜け道を悪用している可能性が指摘されています。

動画の中には、概要欄などに成人向けコンテンツのURLを貼って、視聴者を誘導させるものも存在します。動画で自社商品を使われた搾乳器メーカーの「ピジョン」は、「不適切動画としてユーチューブに報告していますが、削除してもどんどん新しい動画が投稿され、いたちごっこになっている。不適切な動画投稿はやめていただきたい」とコメントしています。

こうした状況に、ネット上の問題に詳しい弁護士は次のように述べています。

「ネットの問題に詳しい 溝上宏司 弁護士」は、「うまいこと抜け道をついているものですから、完全に直ちに消すことは難しい。小学生や中学生みたいな幼い子どもたちでも見られるものなので、そこを狙った悪徳な業者、事業者もいると思う」と語っています。

これらの動画が子供たちに与える影響や、社会的な問題についての議論が高まっています。YouTubeや関連する企業は、より厳格な対策を講じる必要があるかもしれません。また、視聴者自身も、このようなコンテンツに注意を払い、適切な行動を取ることが重要です。