BEGIN・比嘉栄昇、石垣島への帰郷と息子たちとのバンド活動、そして来年迎えるデビュー35周年
来年デビュー35周年を迎えるBEGINが、10月2日にニューアルバム『ビギンの盆マルシャ』をリリースした。アルバムのテーマは盆踊りで、ボーカルの比嘉栄昇は、故郷の沖縄・石垣島と、ミュージシャンとして活動する2人の息子への思いを語った。
比嘉は、両親が宮古島から石垣島に移住し、そこで生まれた。彼の祖先は沖縄本島で暮らしていたため、故郷について複雑な思いを抱いていた。高校卒業後、上京してBEGINとして約20年間東京で活動した。渋谷のB.Y.Gというライブ喫茶での思い出が深く、新曲『渋谷百年総踊り』は、ハチ公生誕100年を記念して制作された。この曲は、渋谷の街並みの変化と、B.Y.Gのような変わらない場所の存在、そしてBEGINを育んでくれた渋谷への思いを表現している。
約20年の東京生活を終え、家族で沖縄に戻った。理由は、石垣を出て東京で夢を追う後輩たちのために地元を開くことと、石垣での感性や感覚が薄れることへの危機感だった。石垣に戻ってからは、生活の不便さを感じたが、子どもの頃の経験を再び体験することで心の居場所を見つけた。また、歌を届ける場所についても大切なターニングポイントとなった。
比嘉は、『オジー自慢のオリオンビール』という曲で、沖縄への興味や憧れを全国の人々に伝えたいという思いを込めた。石垣に戻って10年が経ち、家族の絆も強まった。妻と同級生の比嘉は、子どもたちに島の生活を体験させたいと考えていた。長男の舜太朗は東京生まれで、中学まで沖縄本島で育ったが、石垣が故郷になるだろうと話している。
石垣に戻ってからは、村の行事に消極的だったが、子どもたちが率先して村祭りに参加し、島の人々と交流しているのを見て、自分自身が勝手に壁を作っていたことに気付いた。家族の絆が深まり、妻の支えに感謝している。
舜太朗は自分のバンドを組み、BEGINでもドラムを担当。次男の健二朗とは地元でバンドを組んで活動している。比嘉は、息子たちとのバンド活動を楽しんでおり、親子というより完全にバンド仲間として活動している。
比嘉は、八重山に古くから伝わる「上げ拍子」という独特なリズムに興味を持ち、息子たちとヤエヤマ・アッチャーズ・バンドを結成した。舜太朗には孫が生まれ、比嘉もおじいちゃんになった。孫の成長を見守る喜びを感じている。
来年はBEGINの35周年を迎え、日本武道館と大阪城ホールでの記念ライブが決定している。比嘉は、これまでの経験を大切に積み重ね、ファンが楽しめるライブにしたいと意気込んでいる。