【真弓明信】阪神、DeNA打倒へ!足を使った攻撃と守備力で序盤から優位に立つ戦略
阪神の岡田彰布監督が率いるチームが、セ・リーグクライマックスシリーズ・ファーストステージに臨む。12日に甲子園で開幕するこのシリーズで、阪神はDeNAとの対戦が予定されている。日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(71)は、DeNAを倒すためのポイントを解説し、投手を含めた守備力で優位に立つため、第1戦の試合序盤から近本と中野の機動力を活かすことを提言した。
阪神とDeNAの戦力を比較すると、先発投手は互角の印象だ。しかし、中継ぎと抑えの安定感では阪神が上回っている。さらに、佐藤輝も終盤に守りが堅くなってきたため、全体の守備力では阪神が優位にある。一方、打線の破壊力ではDeNAが上位3チームの中で最も高い。
このような状況を踏まえ、阪神がファーストステージを突破するためには、第1戦の試合序盤が非常に重要になる。今シーズンは、どのチームも足を使った攻撃が少なかったが、短期決戦では先発投手もバッターに集中したい。阪神には近本と中野という足の速い選手がいる。スキを突いて足を絡めて、先に1点でも取れば、守備力が上だけに戦いやすくなる。もちろん、盗塁を仕掛けてアウトになることは避けたいが、足を使う姿勢を見せるだけで試合の流れが変わってくる。1点ずつ積み重ねて試合を優位に運びたい。
仮に追いかける展開になったとしても、阪神はリリーフ陣の層が厚い。チャンスで投手に打席が回ってきたら、早めに代打を投入して仕掛けていき、早めに追いつくという戦い方ができる。ポストシーズンでは、このような積極的な姿勢が重要になる。
また、DeNAのオースティンに対しては、今季7本の本塁打を許しているが、打たれているコースは偏っている。特に内角の速い球には強い。内角を突いても打ち返される可能性があるため、勝負する場面と逃げる場面を丁寧に判断する必要がある。
CSを前に岡田監督が辞任を公表したが、これはチームに悪い影響を与えるとは考えにくい。プロのチームでは、全員が監督を支持しているわけではない。辞任が決まれば、選手たちの感情も一層統一され、最後の胴上げを目指してチームが一丸となることが期待される。