声の専門家が解説!中川大志の魅力的すぎるイケボとその鍛え方

声の専門家が解説!中川大志の魅力的すぎるイケボとその鍛え方

英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言、「男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする」の真偽はともかく、「いい声」が人の魅力を高めるのは確かなようだ。そこで、日本美声チューニング協会の三浦人美会長に「最高のイケボ俳優」の選出を依頼した。その中から、若手筆頭株の中川大志さんについての評価を紹介する。

三浦会長は、「中川さんの声は、今回選んだ5人の中で一番きれいな声だと思いました。まず、声の輪郭がはっきりしています。それに、声の幅が広く、まだ若い方なので音域は比較的高めですが、低い音もしっかりと鳴っています。これは鼻がしっかり使えてる証拠です」と述べる。

一般的に、声は喉だけを使うと思われがちだが、実際には鼻と口の空間の共鳴(ダブルホーン)が重要だ。きれいな声を出す上でカギになるのは、上顎の一番奥にある軟口蓋という器官だ。おにぎりを食べたときに海苔がくっつくところに当たる。声を出すとき、ここがペコペコ動くが、硬いと鼻声(シングルホーン)になり、声の輪郭が潰れてしまう。

中川さんの声は、『かきくけこ』と『がぎぐげご』の発声がとてもはっきりしており、これは鼻と奥舌(舌の根元)が柔らかい証拠だ。奥舌が柔らかいと、軟口蓋の開閉がうまくいき、柔らかい響きにつながる。

中川さんは、誠実な役柄が多いイメージがあるが、これは声質が影響していると考えられる。新人社員や新人店長、弁護士、警察官など、フレッシュな役柄が似合う。逆に、渋い役を演じる際は苦労するだろう。

私たちが中川さんのように柔らかい奥舌を手に入れるには、「かきくけこ」の連打が効果的だ。舌を鳴らして奥舌を軽く柔らかくしてから、「かきくけこ」を5回言う。これを徐々に早くしていけば、割と手軽にできる。

三浦会長は、発声解剖学をベースにした美声チューニング®を提唱し、20代はバンドのボーカルとして芸能事務所に所属。年間300本のライブをこなした経験から、発声・姿勢・呼吸などの身体のアプローチから声を変えていく手法を実践している。バンド活動終了後は講師として活動し、企業代表や芸能事務所所属のアーティストなど、延べ3,000人以上を指導している。