「LUUP」電動キックボードポート設置の問題点:消防法違反の可能性と対応策
電動キックボードのシェアサービス「LUUP」のポート(貸出返却ができる場所)が、避難器具の降下地点や消火活動に必要な送水口、消火器の近くに設置されている事例がSNSで報告されている。消防法では、地震や火災が発生した際の避難経路や避難器具の降下地点に物を置かないよう細かく規定されている。しかし、これらの場所にポートが設置されていることで、SNS上では「火事が起きた時に危ない」「ルールは守ってほしい」といった批判が強まっている。
株式会社Luupは、これらの指摘について事実であると認め、「速やかに適切な対応を行ってまいります」と回答している。同社のサイトによれば、ポートは「導入コスト0で設置可能」で、必要なのはスペースの確保のみ。バッテリー交換や車両の整備、事故や盗難対応などは全てLUUPが行うとしており、現在までに約9900カ所にポートが設置されている。
同社は、ポート設置について「避難設備などの使用に支障のある場所には設置しない」というルールがあると説明しているが、なぜこのようなことが起きてしまったのかについては、「様々な要因がございますので、一概には申し上げられません」としている。今後は管理会社やオーナーと密に連携し、ポート導入施設や近隣住民に安心してLUUPを利用できるよう、設置や点検を進めていくとしている。
消防庁予防課の担当者は、避難器具の降下空間について、消防法施行規則や告示に基づき、建物の規模に応じて細かく規定されていると説明。消防署では定期的な立入検査を行い、降下空間に物が置かれている場合は指導や命令を出す場合があると述べている。また、避難経路に物が置かれるケースについては、「望ましくはありませんが、無意識にやってしまうことはあります」とし、防災に対する意識を持つことの重要性を強調している。
Luup社は、今回の指摘を真摯に受け止め、「これまで以上に、ポート導入施設の皆さま、近隣住民の皆さまに安心してLUUPを導入・ご利用いただけるようなポートの設置を進めてまいります」とコメントしている。