将棋界の新星・服部慎一郎六段「漫才経験が将棋強化に役立つ」

将棋界の新星・服部慎一郎六段「漫才経験が将棋強化に役立つ」

新人王戦で優勝した服部慎一郎六段は、将棋界で異例の挑戦をしたことが好調の要因であることを明らかにしました。先日、大阪市で行われた第55期新人王戦決勝3番勝負第2局を制し、「新人王」に輝いた服部六段は、「今期の新人王戦は決勝3番勝負に来るまでも厳しい戦いが続いたので、優勝という結果を出せたのはすごくうれしい」と喜びを口にしました。

この夏、服部六段は冨田誠也五段とのコンビ名「もぐら兄弟」で、「M-1グランプリ」1回戦に挑戦しました。将棋界からはM-1への参戦は初めてでした。無念の1回戦敗退でしたが、収穫もありました。漫才のネタ合わせの時間をつくるため、将棋への取り組みにメリハリができました。

一方で「何やってんだ」の厳しい声もあり、本業の将棋で負けられないプレッシャーもあったといいます。新人王は第53期以来、2度目の優勝でした。「漫才をやっていて将棋に負けていたら、周りからもいろんな意見があると思う。盤の前に座ったときは勝たなければいけないという気持ちになっていた」

服部六段は今年がデビュー5年目で、富山県出身の25歳です。今後の目標は明確です。「まだタイトル戦に出られていない。タイトル戦出場を目指して頑張りたい」。

元日の能登半島地震から復興の兆しがようやく見えてきた中で、9月に記録的な豪雨が能登半島を襲いました。服部六段は「地元にタイトルを、と思っています。将棋を指すことで喜んでもらえたら」と話しました。