「ダンまち」と「Re:ゼロ」第3期、最大の激震! 原作の展開と意義を振り返る
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』と『Re:ゼロから始める異世界生活』 大森藤ノのライトノベル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』が、放送中のTVアニメ第5期でストーリー上でも最大級の激震に見舞われている。長月達平による『Re:ゼロから始める異世界生活』のTVアニメ第3期も、主人公のナツキ・スバルをとてつもない試練が襲っている。シリーズを追ってきた人には毎週がドキドキの連続で、原作を読み終えている人はこれから起こるスリリングな展開を、息を呑んで見守っている。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』では、主人公のベル・クラネルを自分のものにしようと、女神のフレイヤが最強と言われる自身の【ファミリア】の団員を動かした。ベルが眷属として共に歩んできた女神ヘスティアが、【フレイヤ・ファミリア】の猛攻で団員たちが傷つき、命すら奪われようとしている状況に屈し、ベルをフレイヤに引き渡した。
このフレイヤの決断は、原作の第16巻の巻末、テレビアニメの第5期の第4話で本格的に明かされた。そして、原作17巻の異様とも言える状況であり、18巻で繰り広げられる激闘へと移っていく。この激闘は、TVアニメ第5期のオープニングで仄めかされている。
『Re:ゼロから始める異世界生活』のTVアニメ第3期『Re:ゼロから始める異世界生活3rd season』も展開がなかなか凄まじい。水門都市プリステラに王選候補者たちが集まって、探り合いをしながら交流を深めていたのも束の間、世界を脅かす魔女教の大罪司教が4人も集まって暴れ回り、ナツキ・スバルやエミリアたちを危機に陥れる。
大罪司教はそれぞれがとてつもない異能力の持ち主で、TVアニメの1期に登場した「怠惰」担当のペテルギウス・ロマネコンティだけでも、相当な苦戦を強いられた。それと同じかより強烈な個性と強さを持った大罪司教たちの襲撃は、プリステラに集まっていたエミリア以外の王選候補者たちの中にも傷跡を残す。後々まで影響を及ぼす展開もあるだけに放送から目が離せない。
ナツキ・スバルにとっても魔女教との激突は大きな意味を持つ。現代の日本でひきこおりをしていたナツキ・スバルが異世界へと引き寄せられた背景に、魔女教が信奉する「嫉妬の魔女」サテラの存在が疑われている。死ぬと時間が巻き戻って何度でもやり直しをさせられる状況に置かれ、死ぬ痛みと共に何度繰り返しても突破できない苦しみを味わうことになったのも、サテラの介在があるようだ。
物語の世界を裏側で支える魔女教と激突する点で、原作の16巻から20巻あたりと、これを描くTVアニメの第3期はシリーズでもなかなかの読みどころであり、見どころだ。とりわけプリステラに現れた「暴食」担当の大罪司教は、異世界に来たナツキ・スバルが世話になることになったロズワール邸でメイドをしていた双子の姉妹の妹、レムの存在を奪った因縁の相手。