新映画館「T・ジョイエミテラス所沢」開業と映画『ふれる。』の舞台挨拶が話題

新映画館「T・ジョイエミテラス所沢」がグランドオープン

9月24日（火）、埼玉県所沢市に新しい映画館「T・ジョイエミテラス所沢」がグランドオープンした。この新映画館は、12のシアターと1872席を備えたシネマコンプレックスで、最新の映像技術と快適な鑑賞環境を提供する。特に注目すべきは、超高解像度映像を実現する「IMAXレーザー」、3面マルチプロジェクション映画上映システムの「ScreenX」、そして立体的な音響を実現する「Dolby Atmos」の導入だ。これらの設備により、観客は圧倒的な臨場感を体験できる。

映画『ふれる。』の舞台挨拶付き先行試写会

新映画館のオープンを記念して、10月4日に公開予定の映画『ふれる。』の舞台挨拶付き先行試写会が9月23日（月）に行われた。この試写会には、長井龍雪監督と声優を務めた坂東龍汰が登壇した。

新映画館の特徴

「T・ジョイエミテラス所沢」は、全142店舗からなる商業施設「エミテラス所沢」内にオープンした。所沢駅から徒歩4分という立地の良さも魅力の一つだ。映画鑑賞前後には、ファッションやグルメなどが楽しめるため、大人から子どもまで幅広い世代が1日中楽しむことができる。

映画『ふれる。』の概要

映画『ふれる。』は、『劇場版あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』（2013年）、『心が叫びたがってるんだ。』（2015年）、『空の青さを知る人よ』（2019年）の秩父三部作でタッグを組んだ長井龍雪監督、脚本の岡田麿里、キャラクターデザイン＆総作画監督の田中将賀が再集結したオリジナル長編アニメーションだ。物語は、不思議な生き物「ふれる」と暮らす青年、小野田秋（声：永瀬廉）、祖父江諒（声：坂東龍汰）、井ノ原優太（声：前田拳太郎）の友情を描いている。

舞台挨拶の様子

試写会の舞台挨拶では、長井監督と坂東龍汰が登壇し、観客から大きな拍手を浴びた。坂東は「大きいですね」とスクリーンを見上げ、長井監督も「できたばかり」と新劇場の印象を語った。長井監督は、過去3作品において埼玉県秩父市を舞台に物語をつむいできた経験を振り返り、「秩父さんには、実家に帰るよりも行っている感じ」と笑顔を見せた。また、「行くたびにおいしいお酒や、有名なホルモンなどをいただいたりと、本当によくしてもらっています」と感謝の言葉を述べた。

坂東龍汰の所沢への印象

坂東は「今日初めて所沢に来させていただいた」と話し、「僕は湖が好きなので、狭山湖。あと西武遊園地。この後はベルーナドームで始球式をさせていただく。それも楽しみです」と所沢の魅力を語った。楽屋では所沢名菓のファルマンを食べ、「おいしかった！」と喜んだ様子だった。

キャストの選出と演技

幼なじみの20歳の青年を演じた3人は、オーディションで選ばれた。長井監督は「上映後の回であれば皆さんおわかりだと思いますが、役へのハマり方がすばらしかった」と絶賛した。坂東が演じる祖父江諒役は乱暴なセリフの多いキャラクターだが、「包み込むような、お兄さん感。それがものすごくすばらしくて、選ばせていただいた」と坂東を起用した理由を明かした。

坂東龍汰の声優デビュー

坂東は「ありがとうございます！」と喜び、「緊張しました」と初めての声優業へのチャレンジについて素直に語った。長井監督は「初めてとは思えない。一発目からすばらしい芝居をしていただいた」と称えた。坂東は「初日は前田拳太郎くん、永瀬廉くんと3人でやった。ちょっと2人、うますぎやしないかと思いました」と共演者の2人の演技に驚いたと振り返った。長井監督は「坂東さんはムードメーカーだった。現場を温めていただいて、ありがたかった」と感謝の言葉を述べた。坂東は「焦りをごまかすために、ずっとギャースカとしていました」と照れ笑いをのぞかせた。

映画の感想とメッセージ

劇中では、3人のキャラクターが新たな経験をしながら成長していく。坂東は「僕自身、ここまで自分の声と向き合った時間は初めて。いろいろな気づきがありました。実際に映画館で自分の声を聴いた時には、すごく感動しました」としみじみと語った。「新しい扉が開いた感じがしました。諒との出会いは、またやってみたいなと思えるきっかけになった気がします」と、キャラクター同様に新たな経験をしながら充実感と勇気をもらったと述べた。

長井監督は、アフレコにおける声優陣3人のやり取りが「とても微笑ましかった」と話し、前のめりになって参加した3人が「もう一回やらせてください」とお願いすることもあったとのこと。長井監督は「こっちはだいぶOKなんだけどなと思いながら、改めてやってもらうとさらにいい芝居が出てくる。本当に楽しい経験でした」と話した。

映画のメッセージ

最後に坂東は、「脚本を読んだ時に、僕が高校生や中学生のころに仲が良かった友だちとのやり取りとか、ちょっとギクシャクしたり、仲が悪くなった時期があったのはなんでだったろうと考え直すきっかけになった。いま身の回りにいる友だちや、お世話になっている人たちに対するコミュニケーションについても、改めて言葉でちゃんと伝えたほうがいいなという気づきもたくさんあった」と自らと重ねながら、「皆さんの背中を押す作品になっていればうれしいです」とメッセージを送った。

長井監督は、「『友だちに連絡したくなった』と言われることが何度かあった。すごくうれしかった」とこれまでの観客の反応を紹介し、「友だちや親御さんなど、人との関係をちょっとだけ考えたり、考え直したりするきっかけになればと思って作った」と本作に込めた想いを語り、大きな拍手を浴びた。

新映画館のスペシャルシート

T・ジョイエミテラス所沢では、多彩なスペシャルシートも注目ポイントだ。「エグゼクティブシート」は、人間工学に基づいたデザインとクッション部の二重構造によって、柔らかく体が包まれるような贅沢な座り心地を味わえる。「プレミアシート」は、高級感あふれる木目調のデザインを採用し、革張シートが鑑賞時の疲れやストレスを軽減してくれる。

シアターの最前列に配置される「リクライニングシート」は、独自の臨場感や迫力が体感できる。一方、シアターの最後列に配置された「カウンターシート」は、座席とカウンターを合わせたシートで、隣席との幅が他座席より広く、飲み物や軽食などを楽しみながら鑑賞できる。「ペアシート」や「トリオシート」など、カップルやファミリーにおすすめのシートも用意され、誰もが居心地良く映画を楽しめるようになっている。

フードメニューと開業キャンペーン

フードメニューも充実しており、期間限定で味わうことができる特別なポップコーン「濃蜜おさつ」は秋の味覚を感じられる一品。所沢産のさといもを使用した「さといもフライ」は、同館限定のメニューだ。9月24日（火）～10月24日（木）までは開業キャンペーンとして、劇場に設置されている2次元コードを読み込んでARくじに挑戦すると抽選で賞品をゲットできるなど、ワクワクするような企画も用意されている。

また、9月27日（金）から10月3日（木）までは映画『ふれる。』公開記念として、『劇場版あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』の上映会も行われ、上映会限定の入場者特典【「秩父三部作×ふれる。」ステッカー】も配布される。これらの企画により、秩父三部作をたっぷりと堪能できるうれしい機会となる。