広島県、国民スポーツ大会サッカー少年男子の部で8年ぶり2回目の栄冠、注目選手11人をピックアップ

広島県、国民スポーツ大会サッカー少年男子の部で8年ぶり2回目の栄冠、注目選手11人をピックアップ

国民スポーツ大会サッカー競技少年男子の部、広島県が8年ぶり2回目の優勝

「SAGA2024第78回国民スポーツ大会」のサッカー競技少年男子の部で、広島県が8年ぶり2回目の優勝を果たしました。U-16年代の都道府県選抜チーム24チームが熱戦を繰り広げたこの大会。例年通り、各地のブロック予選に足を運び、本大会も取材した「国スポウォッチャー」の森田将義記者が、印象的なプレーを見せた11人の選手を紹介します。

森田将義記者の評価

森田将義記者は、「『タレントが少ない』と言われることが多かった08世代ですが、今回の国スポは例年とそん色のない選手が多数見ることができた大会でした。特に印象的だったのは能力の高いGKの多さ。ビッグセーブを繰り返し、まさに守護神といったプレーを披露した選手が多く、一人に絞りづらかったです。また、FW川村求(東京都/横河武蔵野FC U-15)やMF仙波隼太郎(愛媛県/愛媛U-15)など、年上の中でも堂々とプレーする中3世代の多さも特徴です。選出した11人には、インパクトのある個の力を感じた選手ばかり。確かな力を持った選手たちなので、これから先の大会でも主役として活躍してくれるはずです」と語っています。

国スポ11傑

GK 平野稜太(大分県/大分トリニータU-18、2年)

九州ブロック大会で2試合続けて完封勝利に貢献した守護神は、本国スポでも存在感を存分にアピール。圧巻のシュートセーブはゲーム中の決定機阻止だけでなく、PK戦でも発揮され、1回戦で岐阜県を撃破する原動力となりました。

DF 熊田佳斗(埼玉県/大宮アルディージャU15、中3)

ボール奪取が魅力で、年上相手でも遠慮なく激しくチャレンジ。奪ってからは散らしと持ち運びで攻撃の起点としても機能します。プレーは中3とは思えないほど堂々としており、上田健爾監督(細田学園高)は「全てのアベレージが高い」と賞賛しています。

DF 森井莉人(広島県/サンフレッチェ広島ユース、1年)

190cmのCBは手足の長さを生かしたボールハントが武器。足も速く背後への対応も苦にしません。ユース昇格後は2歳上のDF木吹翔太(3年)から心身ともにアドバイスをもらい成長中で、自チームでも指導する遠藤真仁監督(広島ユース)は「少しずつ強度に慣れてきた」と話しています。

DF 石原拍(愛媛県/愛媛FC U-18、1年)

「練習から意識している」という跳躍力を生かした競り合いが売りで、赤井秀一監督(愛媛FC)は「まだまだ粗削りな部分はあるけど、ポテンシャルはある」と口にしています。CBではあるが持ち運びにも自信を持っており、準決勝の大分戦ではゴールもマークしました。

MF 太田大翔(広島県/サンフレッチェ広島ユース、1年)

熊本出身のボランチは、CBにも対応できる守備力が持ち味。身体を張った守備対応と長身を生かした跳ね返しで相手攻撃の芽を潰しつつ、二次攻撃に繋げる姿が印象的でした。パンチのあるシュートも特徴で、決勝では先制点を叩き込みました。

MF 神田泰斗(埼玉県/大宮アルディージャU18、1年)

高精度の左足とともに目を惹くのは的確な判断を生かしたゲームメイク。試合状況に合わせて、ドリブルとパスを上手く使い分け、3列目から攻撃のリズムを作ります。今大会は「自分たちの代では違いを見せないといけない」という意気込み通りのプレーを披露しました。

MF 末次瞬(佐賀県/サガン鳥栖U-18、1年)

左効きならではのセンスを感じさせるアタッカーで、巧みな駆け引きから相手を置き去りにするドリブルで観客を沸かせました。キック精度も高く、右サイドから中に切り込んで放つシュートも魅力十分。準優勝となった佐賀県を牽引する存在でした。

MF 四日裕歩(東京都/横浜FCユース、1年)

「相手の逆をとにかく突く」というドリブルはとても滑らかで、一度ボールを簡単には奪われません。「絶対見返してやるという気持ちで、佐賀に来たのでタダでは帰れない」と意気込んだ今大会は初戦で2ゴールをマークし、存在感を示しました。

MF 武本匠平(福岡県/アビスパ福岡U-18、1年)

50mを6秒台前半で走る俊足は魅力十分。「三笘薫選手と同じようにプレミアのチームでも中心となれる選手になりたい」と話すサイドアタッカーは本家同様、スピードだけに頼らず上手く相手と駆け引きをして、縦と中を切り裂きました。

FW 信重亮二朗(広島県/サンフレッチェ広島ユース、1年)

高い身体能力が光る点取り屋で、バネのある動きでアグレッシブにゴールへと向かっていきます。跳躍力も高く、初戦の高知県戦ではヘディングでもゴールをマーク。決勝こそ得点を奪えなかったが、4得点は大会トップ。日本一となったチームのMVP級の活躍でした。

FW 谷大地(佐賀県/サガン鳥栖U-18、1年)

昨季途中までプレーしたFCソウルでは、年代No.1ストライカーと呼ばれていた選手で、鳥栖U-18の田中智宗監督は「ゴール前の感覚を持っている」と評しています。地元開催の今大会も力強くゴールに向かい続け、初戦から4試合連続ゴールで得点王に輝きました。

結論

今回の国民スポーツ大会は、多くの有望な若手選手が活躍し、サッカー界の未来に明るい光を投げかけました。選出された11人の選手たちは、それぞれの特徴と強さを存分に発揮し、今後の大会でも主役として活躍することが期待されます。広島県の優勝は、チームの団結力と個々の選手の力が結集した結果であり、今後の活躍に注目が集まっています。

(取材・文 森田将義)