鹿島アントラーズ、中後雅喜新監督に託された復権と失われた鹿島イズムの再生
J1鹿島アントラーズは10月9日、中後雅喜コーチが監督に就任することを発表した。同日には記者会見が行われ、残り6試合で指揮官に就任した中後監督は、「このクラブで監督の仕事をする責任の重さは非常に感じています。精一杯、やりたいなという気持ちでいます」と、コメントをした。
今シーズン、鹿島はランコ・ポポヴィッチ氏を監督に迎え、前半戦では11試合無敗を記録するなど、8年ぶりのタイトル獲得が期待された。しかし、夏以降は失速し、前節の新潟戦に4-0で勝利するまでは6試合未勝利が続き、6試合を残した現在は首位の広島との勝ち点差が12まで開いている。また、ルヴァン杯は3回戦、天皇杯は準々決勝で敗退となり、今季のタイトル獲得は難しい状況となっている。
中後監督は、前監督の下でコーチを務めていた経験を活かし、「攻撃的なスタイルで今までやってきましたし、それを引き継ぎながら、やはりどうゴールを多く取って、より少ない失点で得点を奪われないかが非常に大事になってきます。攻守両面でバランスをとれるように。そして勝利に向けて戦えるようなスタイルを作っていければと思っています」と、前監督の体制を引き継ぎつつ、失点を減らしていく考えを示した。
現役時代には鹿島で数々のタイトルを獲得している中後監督には、往年の『鹿島イズム』を取り戻すことも期待される。「そういう(優勝する)経験を非常にありがたいことにさせてもらったので。そういう中で、一人ひとりが与えられた役割を100%でやることが結果につながると非常に感じていました。与えられた役割、それ以上のことをしっかりと連携をとりながら、一致団結できるというのが優勝を経験したことで感じたところ。そういうところをしっかり伝えていけたらなと思っています」と、現役時代の経験も踏まえ、チームに還元していくことを誓った。