SAGA久光スプリングス、地元佐賀で国スポバレー成年女子2連覇!「世代屈指のエース」深澤が復活し、チームを牽引
9日、佐賀市のSAGAアリーナで行われた国民スポーツ大会(国スポ)のバレーボール成年女子決勝で、SAGA久光スプリングスの佐賀が岡山シーガルズの選手で構成する岡山をセットカウント3-0(25-12、25-21、25-16)で破り、2年連続6度目の優勝を果たした。1988年以降の成年種別が1・2部制となった後、9人制を制した1976年以降では10度目の優勝となる。
試合では、迫力満点のブロックと強打でチームを引っ張った荒木が、「若い選手たちが活躍してくれて、本当に成長しているな、頼もしいな」と語った。荒木は試合前は控えめにしようと心がけていたが、試合中はガッツポーズも惜しみなく披露した。
21歳の吉武と深澤は、第1セット序盤の7連続得点でチームを勢いづかせた。吉武はライト側からの攻撃を託され、レフトプレーヤーには中島が固定された。対角には初戦では経験豊富な中川美柚、2戦目では成長株の北窓絢音が起用された。この日は堅守の岡山相手に攻撃で主導権を握るため、決定力のある深澤が抜てきされ、これが功を奏した。
深澤は、「この会場でプレーできること、コートに立って何ができるのかということに対して喜びを感じました」と語った。就実高(岡山)では全日本高校選手権(春高バレー)を連覇し、2年連続で最優秀選手賞を受賞したが、高卒2シーズン目の昨季はコンディションが整わなかったことなどもあり、活躍できなかった。今回は「得点を取ること」を意識し、シンプルな考えと積極性が得点を呼び込んだ。クロスに打ち抜くだけでなく、相手のブロックを利用したり、ライン際を狙ったりするなど、今夏取り組んだテーマを遂行した。守りでも相手の強打や軟打に体を張って反応し、チームに貢献した。
チームは国スポ、SVリーグ、天皇杯・皇后杯全日本選手権の「3冠奪取」を目指しており、まずは1冠目を手にした。3試合で失セットなしの完全優勝を果たし、酒井新悟監督(55)は「国スポは(今月13日に初戦を迎えるSV)リーグに向けての強化と並行して難しかったところもありましたが、今日は今大会一番のパフォーマンスをしてくれた。収穫はサーブをしっかりと打てたこと、ラリー中も決定打を出せたことです」と語った。若手が生み出したこの勢いを揺るぎない強さに変えられるかどうかが、2024~25年シーズンを終えた時に「あれが分岐点だった」と振り返れるかどうかの鍵となる。