日本プロ野球のスケジュール問題とその解決策

日本プロ野球のスケジュール問題とその解決策

巨人との最終戦、阿部監督と握手をする岡田監督(10月23日)

いよいよレギュラーシーズンも最終盤を迎えた。パ・リーグではソフトバンクが一足先に優勝を決め、セ・リーグでは我らが阪神タイガースがアレンパを目指して巨人を猛追している。非常に難しい状況ではあるが、可能性が残る限り懸命に応援したい。頑張れ!タイガース!

MLBの最終戦と順位決定

一方、MLBでは29日(日本時間30日)にほとんどの球団が最終戦に臨み、順位だけでなく個人タイトル争いも決着がつく。今年は例外的に翌30日にブレーブス対メッツのダブルヘッダーが予定されており、ア・リーグのみ一斉決着となる。それでも翌10月1日には間髪入れずポストシーズンが開幕するため、「間延び」した感じはない。さらに、最後の1週間でも各チーム6~7試合が組まれているため、ファンは普段通りに好きな球団や選手を追うことができる。

日本プロ野球の最終週

日本プロ野球の最終週はどのような状況だろうか。現時点の最終日は10月7日で、楽天対日本ハムの1試合のみ。10月1日からの7日間で合計19試合が組まれており、1日平均3試合に満たない。正直言って、間延び感があるし、この日程だと当該チームが試合のない日に優勝が決まる可能性も高くなる。誰もが満員の球場での胴上げを望んでいる。そうならなかったら、ファンにもチームにも悲しすぎる結末だ。

雨天中止の影響

ご存知の通り、日本では9月下旬の多くの試合が雨天中止の振替試合となっている。そのため、単発のスケジュールが数多く組まれている。振替日程が多すぎてハードスケジュールでシーズン終了を迎えなければならない球団もある。現在のシステムでは、リーグ全体の9月~10月上旬のスケジュールに大きな穴が空いている。一番盛り上がるシーズン最終盤をベストな形で迎えているかというと、筆者はとてもそうは思えない。

MLBとNPBの違い

MLBでできてNPBでできないのは仕方ないのでしょうか?30球団で形成されるMLBの舞台である北米はとても広く、シーズン終盤に振替日を設けても、たった1試合のために長い移動はさせられない。そのため、代わりに翌日ダブルヘッダーを行っている。

ダブルヘッダーの復活

NPBでは1998年を最後にダブルヘッダーが開催されていない。営業面、選手のコンディションなどから1日2試合の難しさは理解できるし、筆者もダブルヘッダーの復活は望まない。しかし、別の方法は絶対にある。移動日になっている月曜を振替日程として使うことだ。

月曜日の活用

現在のスケジュールでは、同一リーグの他球団と25試合ずつ戦っている。つまり、少なくとも4カードはホーム開催となる。ならば雨天中止があった場合、次回カード前後の月曜に追加して4連戦にできるのでは?移動の負担も減るし、シーズン終盤が比較的に楽になるはず。そして12球団が同時にシーズンを終えることが可能になる。

解決の難しさ

当然、筆者が思うほど簡単には解決できないだろう。それでも、今年のような熾烈な優勝争いがもっともっと熱くなり、野球界が盛り上がるのならば、「月曜を使った4連戦」も悪くないと思う。

トレバー・レイチュラのプロフィール

1975年6月生まれのカナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日し、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。2011年から兵庫に在住し、阪神ファンとして英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。