大谷翔平のMLB記録とその影響:ネット上の議論と日本の誇り
大谷翔平の活躍とネット上の議論
日本時間9月23日時点で、大谷翔平は53本のホームランと55盗塁を記録しています。50-50の達成はもちろんですが、前人未到の記録を更新中であるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の活躍は、ワイドショーでも連日報じられています。しかし、あるユーザーがX(旧Twitter)に投稿したポストが物議を醸しています。
ユーザーの投稿と反響
そのポストは以下のように始まっています。
《大谷翔平選手のことを「日本の宝」と言う人、本当に気持ち悪いな》
続けて、
《彼個人の努力を、わざわざ日本という国に帰属させ、彼の功績を、さも日本のもの日本の手柄であるかのように言わんとする人、本当に気持ちが悪い。彼の偉業と国家とは、無関係。個人の功績を、いちいち国威に利用するなよ。気持ち悪い》
このポストは現時点で141万回のインプレッションを記録し、注目を集めています。しかし、コメント欄には多くの批判が寄せられています。
《日本人が世界で活躍し、それを国民が喜び、祝福し、誇りに思うと必ず一定数でてくるコメント》
《多分ね、誰も「日本のもの、日本の手柄」なんて思ってないと思いますよ。多分あなた様が思ってるだけ。単純に日本の選手が大活躍してるのを観て、普通の感情として喜んでるんです》
《誰もそこまで考えてない中で、わざわざ「国威」「日本の手柄」と結びつけてるのは、他でもないあなたでは???気持ち悪い》
これらのコメントは、ユーザーの意見に対する批判が殺到し、炎上状態となっています。
賛同の声と反論
一方で、同ポストに賛同する声も一部見られます。
《なにかというと「日本人が」と絶賛する風潮が気持ち悪いのは同感。別にどこの出身でもいいじゃないか。その人がすごいのは、出身とは関係ない。それに国籍で称賛する対象を選別するのは、一周回って差別の根になりかねない》
このユーザーは続けて、
《バースの時に、誰もが感じた卑怯な手で記録を阻んだのが忘れられない。「日本人が」に固執してると、またああ言うのをやりかねない気がする》
と理由を説明していますが、こちらも賛同はあまり得られていないようです。
メディアの影響と大谷の評価
こうした投稿が出てくる背景には、メディアが連日のように大谷に関する報道を行っていることがあります。野球に興味のない人の中には、大谷の取り上げ方に異常さや違和感を覚える人もいるでしょう。しかし、大谷がMLBにおいて史上かつてないほどのインパクトを残していることは間違いないです。
例えば、MLB史上初めて『40本塁打&40盗塁』を達成したホセ・カンセコ氏ですら、「アメージングな選手。彼は特異であり、球界の顔だ」「彼がしていることをできる選手は見たことがない」と絶賛しています。
日本球界とMLBの歴史的背景
大谷が“日本の宝”と呼ばれる背景には、歴史的な日本球界とMLBの壁があります。
少なくとも、これまで長い間、実力も金銭面でも明らかにMLBが野球の中心であり、日本はその外側でした。球団数はMLBが30、NPBは12。MLBの上位チームの場合、年俸の総額は400億円を超えますが、NPBは福岡ソフトバンクホークスがわずか60億円を超えるだけです。世界中から有力な選手が集まってくるMLBに日本人選手は逆立ちしても勝てない……というのが球界の常識でした。
しかし、そうした圧倒的な差をものともせず、これまで数々の日本人選手がMLBに挑戦してきました。
1964年に投手の村上雅則氏がサンフランシスコ・ジャイアンツで2シーズン活躍しましたが、次の選手は1995年にメジャーに移籍した野茂英雄氏まで30年も待たなければなりませんでした。野茂氏以来、イチロー氏や松井秀喜氏など数々の選手が渡米していますが、MLBで活躍できた彼らは日本のトップオブトップ。うまく成績を残せずにあえなく“撤退”した選手もいました。
大谷翔平の“異次元”の存在
そうした中で、50-50というMLBで前人未到の記録を出した大谷選手はまさに“異次元”の存在です。
少なくとも、これまでの日本人選手たちの苦闘の歴史を知る野球ファンからすれば、やっぱり大谷が“日本の宝”なのは間違いないでしょう。そして、多くのファンがそこでいう“日本”とは、国家としての日本という意味ではなく、どちらかといえばNPBという意味合いが強いかもしれません。もちろん、大谷は今やMLBを含めた野球界にとっての宝でもあります。
今後の展望
もはや誰もケチのつけようがないほどの高みで記録を更新し続ける大谷。一体、どこまでその記録を伸ばすのか、今後の活躍に注目が集まっています。