日本一ソフトウェア、新作RPG「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」を東京ゲームショウ2024で発表
日本一ソフトウェア、「東京ゲームショウ2024」で新作RPG「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」を発表
日本一ソフトウェアは、「東京ゲームショウ2024」の初日である9月26日に、新作RPG「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」のメディア向けGlobal Press Conferenceと試遊会を開催した。本作は2004年に発売された「ファントム・ブレイブ」以来、約20年ぶりとなる新作である。
海賊をテーマにした新たな冒険
今作のテーマは「海賊」だ。主人公のマリーネが海賊となって、灼熱の島や極寒の地などを旅しながら、各地で発生したトラブルを解決し、海賊としての活動範囲を広げ、大切な人の手がかりを探していく物語が描かれている。
シナリオのバランスと新規ユーザーの取り込み
シナリオを担当した城花健人氏は、約20年ぶりの完全新作であるため、新規ユーザーを取り込むとともに、前作を愛し続けてきたファンにも楽しんでもらえるようバランスを取ることに苦労したと語る。そのために13本ほどのシナリオを制作し、選りすぐって現在のシナリオが完成した。
新キャラクターとその魅力
「ファントム・ブレイブ」シリーズの魅力は、恵まれない少女の成長記にあると城花氏は述べる。前作では主人公のマローネがその役割を果たしていたが、今作では海賊たちが縄張りをはっている「ドクロ島」でマローネが出会うキャラクター、アプリコがその役目を果たす。アプリコは見た目はかわいらしいが、剣の腕前はピカイチという意外性を持ち、冒険ではマローネの力強い味方となる。
アプリコの声を演じた声優の戸田めぐみさんは、アプリコは繊細な性格の持ち主で、長い間孤独であったことから心を開くのが難しいキャラクターだと紹介。しかし、冒険を通じて様々な人と出会うことで、主人公のマローネだけでなくアプリコ自身も成長していくので、その点にも注目してほしいとアピールした。
もうひとり、注目のキャラクターは、一年中有雪が降り続く極寒のシラユキ島に暮らすファントムの少年ウルミだ。瞳が赤いことからもわかるように、一見かわいらしく見えるが、怪物的な一面を持っている。ウルミの声を演じた声優の寺井らんさんは、自分の中に眠る怪物を呼び起こして演じたと、収録時のエピソードを披露した。
新要素「絆コンファイン」
シナリオ面では前作のファンも新規のファンも楽しめるようにしているという話が出たが、ゲームのシステムとしても前作でできた部分は基本的に引き継がれている。その一つが「コンファイン」だ。主人公のマローネは、死者の魂である「ファントム」を見る能力を持っている。その力を活かして、「ファントム」をアイテムに憑依させて戦闘で操れるユニットとして登場させるためのシステムが「コンファイン」だ。
本作の戦闘はターン制のシミュレーションRPGで、マローネがフィールド上に落ちているアイテムに仲間のファントムたちを「コンファイン」することで、呼び出して戦っていく。それぞれのファントムたちは、あらかじめ装備させたアイテムによって使えるスキルが変化し、戦闘でどのアイテムに「コンファイン」するかによってもステータスが変化する。
今作で新たに追加された要素が「絆コンファイン」だ。これは絆を深めたファントムとマローネが合体する能力で、マローネ自身の見た目が大きく変化し、強力な威力を持つ「絆コンファイン」技が使えるようになる。さらに、「絆コンファイン」では特定の条件を満たすことで「ワンモア」と呼ばれる連続行動ができるようになる。この「ワンモア」は、「絆コンファイン」した相手との絆が深いほど長く続く。
「ファントム・ブレイブ」シリーズは、マローネと死者の魂である「ファントム」との絆を描いた物語だ。しかし、前作では相棒のアッシュ以外のファントムたちとの繋がりが希薄になっていた。そのため、「ファントム」という設定自体も死に設定になってしまっていた部分があった。そこで絆という部分を強く押し出したいことから、この「絆コンファイン」が生まれた。
見た目的に映える要素がほしかったというのも「絆コンファイン」が追加されることになった理由の一つだ。シナリオを担当した城花氏は、元々営業の出身で、ゲームが記事になったときにより映えるものにしたいと考えた。そこで変身する要素を入れた方がいいと提案したことから、新要素の「絆コンファイン」として実現した。
試遊会での印象
プレスカンファレンスが終わった後、実際に「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」を試遊する機会が得られた。プレイしたのは製品版というよりも試遊用に調整されたもので、拠点となる「ドクロ島」から始まり、実際にバトルが行われる3つの島のうちの1つを選んで挑戦する仕組みだった。どの島を攻略するかはメディアごとに割り振られ、今回は「シラユキ島」と呼ばれる極寒の島に挑戦した。
拠点の「ドクロ島」では、それぞれのファントムたちと挨拶を交わしたり、装備など冒険に出かけるための準備が行えるようになっていた。この島自体は歩き回っても特に何もなく、あくまでも編成を行うための場所といった印象だった。
拠点でワールドマップを開くと、船がポインターのように自由に動かせるようになり、どの島を冒険するか選ぶことができる。移動する島を選ぶと会話シーンが始まり、その後場面が転換してターン制バトルのステージに切り替わる。
戦闘に突入した時点では、フィールド上に敵が配置されているほか、味方のキャラクターはマローネひとりだけという状況だった。そこで最初にやらなければいけないのが、落ちているアイテムを「コンファイン」して、味方のファントムを呼び出すことだ。ただし、マローネが動ける範囲はそれほど広くないため、最初は身の回りにあるものを利用することになる。
「コンファイン」では、出撃コストの分だけフィールドにキャラクターを呼び出すことができる。ただし、キャラクターごとにフィールドに止まっておけるターン数が決められており、そちらが過ぎると帰ってしまう。例をあげると、ものすごく強いけど1ターンしかいられないものや、ザコキャラに近いけど長くいられるものがいる。そのため、それぞれのキャラクターの特性を活かして、「コンファイン」するタイミングや数を決めていくことが重要となる。
「コンファイン」で呼び出したキャラクターは、次のターンから行動が可能になる。順番が来て行動ができるようになってから、敵に向かって移動させていくことになる。このときに黄色い円が表示されるが、これはそのターン内で移動できる範囲を表している。
敵に近づくことができたら、コマンドで「アクションスキル」を選んで、攻撃するスキルを選択する。スキルによって攻撃範囲が異なるため、敵に当たるものを選ぶのがいい。スキルを選ぶと、実際にどの位置を狙うか決めることができる。ここで敵が攻撃範囲に入っていることを確認してスキルを繰り出すことでダメージを与えることができる。
今回挑戦した「シラユキ島」の第1ステージは、マップの端っこに陣取ったクリオーが超遠距離から攻撃を仕掛けてくる。筆者の場合、前作はプレイしておらず今回が初挑戦だったため、少々難易度が高く感じられたマップだった。しかし、製品版では4章あたりに登場するため、そこそこクセのある作りになっていた。城花氏にその点をお聞きしたところ、本来はここに来るまでにステップを積んでゲームの特徴を学んでいけるようになっているため、製品版でプレイするときはそこまで難しく感じないかもしれないとのことだった。
プレイしていて面白く感じた部分は、「コンファイン」で呼び出せるキャラクターたちの特徴だ。仲間を癒やすヒーラータイプもいれば、率先して敵陣に切り込んでいくタイプのキャラクターなどもいる。どのキャラクターがどのような能力を持っているのか把握していくことで、より戦闘の効率も上げていける印象だった。
今後の展開とDLC情報
今回のプレスカンファレンスでは、最新のプロモーションムービー第2弾が会場内に流された後、本作が2025年1月30日に日本・北米・欧州で同時発売されることが発表された。来春には、アジアとSteam版の配信が行なわれることも決定している。
初回限定版にはサウンドトラックや設定資料集、限定アクリルコースター、三方背BOXが付いているほか、アッシュとマローネのおばけ島衣装のダウンロードコードが付属している。また、初回生産限定として、パティの限定衣装のダウンロードコードが付属することも合わせて発表された。
また、ソフト自体もまだ発売されていない状況ではあるが、早くも発売日以降のDLC配信も決定している。今回公開されたのは、「BAR ステラアビス」からサマヨイと「嘘つき姫と盲目王子」より姫のふたりだ。これらは現在鋭意作成中で、これ以外にも複数のキャラクターがDLCで配信されていく予定である。
今後の予定としては、10月19日と20日には「全国エンタメまつり」に出展。11月に体験イベントを東京で開催した後、12月には体験版が配信開始される予定だ。この体験版のデータは製品版にも引き継ぐことができる。同社のユーザーは体験版でレベルを9999まで上げるなど、かなりやり込む人がいるそうだが、そうした人でも長く楽しめるように用意されているのがエンドコンテンツの「後日談」だ。
ゲームを普通にクリアするだけでも、早くて20~30時間ほど掛かるが、この「後日談」を含めると80時間ほど掛かるという。たとえ体験版でレベルを上げておいたとしても、それだけでは「後日談」は簡単にクリアすることができないそうだ。また、この「後日談」には「魔界戦記ディスガイア」の主人公ラハールが登場するそうなので、そちらも合わせて楽しみにしよう。
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