軽井沢万平ホテル、伝統と革新を融合した大規模改修・改築で10月2日グランドオープン
軽井沢万平ホテルの大規模改修と改築が完成
長野県軽井沢町にある万平ホテルを運営する森トラスト(東京)は25日、東京都内で取材会を開き、2023年から進められてきたホテルの大規模な改修と改築の詳細を説明した。この改修・改築は、利用者の半数以上が60~80代のリピーターという客層を考慮し、ホテルのデザインや色調を可能な限り引き継いで実施された。10月2日にグランドオープンする予定だ。
客層に配慮したバリアフリー化
今年、万平ホテルは開業130周年を迎える。ホテルの中心部であるアルプス館は1936(昭和11)年に木造で建設され、老朽化が進んでいた。このため、鉄骨を使用したり梁(はり)を補強したりする耐震化が行われた。さらに、屋根のふき替えや外壁工事によって断熱や防水の機能が強化された。バリアフリー化も重要なポイントで、正面エントランスの階段をなくしたり、アルプス館にエレベーターを新設したりするなど、高齢者にも使いやすい環境が整えられた。
冬季の利用低迷を解消
冬場の利用が低迷する課題に対応するため、建て替えられた愛宕館には全客室(30室)に温泉が備えられた。これにより、冬場でも快適に滞在できる環境が提供される。
メインダイニングの象徴的なデザインを維持
一方、メインダイニングでは、格子状の天井を塗り直して維持した。開発部門トップの増永義彦常務は、「長年の利用者に『変わった』と言われないようにした」と説明。「象徴を踏襲しつつ、国際水準のラグジュアリーホテルへ進化した」と述べた。
プレオープン営業と予約受付
8月半ばから今月23日まで、一部施設でプレオープン営業が実施された。現在、グランドオープン後の予約の受け付けが開始されている。
万平ホテルの改修・改築は、伝統と革新のバランスを取ることで、利用者の期待に応えるとともに、さらなる発展を目指している。10月2日のグランドオープンを楽しみに待つ利用者も多いことだろう。