山崎、ファーム最終戦で本塁打、引退へ向けて神宮へ

山崎、ファーム最終戦で本塁打、引退へ向けて神宮へ

ファーム最終戦で本塁打を放った山崎 「イースタン、ヤクルト5-4オイシックス」(29日、戸田球場)

最後までヤクルト・山崎らしく、あり続けた。だが、まだ終わりじゃない。チケット完売、土手にまで多くのファンが駆けつけた舞台でサプライズ発表が待っていた。「このままファームで終わってしまうのもちょっと悲しいので、3日、神宮に行かせていただくことになりました」。用意されたのは感謝を伝える場所だ。

今季限りで現役引退を発表して迎えたファーム最終戦。2打席目には、最後までもがき続けた戸田で恩返しの本塁打を放った。フル出場予定だったが、「いい終わり方で終わりたい」と固辞。「僕はもうおなかいっぱい」と切磋琢磨(せっさたくま)してきた若手選手に後を託し、「悔いなく終われた」と言い切った。

山崎は、がむしゃらに戦った17年間で、チームとして96敗を経験した。18年には宮本慎也氏、石井琢朗氏、河田雄祐氏と出会い、「野球を一から全部教えていただいた」と土台を作った。リーグ優勝、日本一、連覇にも貢献し、チームの中心選手として活躍した。

この日、戸田球場には多くのファンが駆けつけ、山崎の最後の試合を観戦した。「戸田でこんなに人が集まってもらえると思ってなかった」と、山崎は感無量の様子だった。記録以上に記憶に残る山崎が、9年間のフィナーレへ、最後までらしさを貫いた。

山崎の引退は、多くのファンや関係者にとって、寂しい出来事である一方で、彼のキャリアを称える機会でもある。彼の最後の試合での活躍は、そのキャリアの集大成であり、ファンへの感謝の気持ちを表すものとなった。

山崎は、引退後も野球界に貢献したいという思いを抱いている。「野球を続けることには変わりありません。ただ、形が変わるだけです」と語り、新たな道を歩む決意を示した。彼の経験と知識は、若手選手の成長を支える貴重な財産となることだろう。

最後の試合で本塁打を放った山崎。その姿は、彼の情熱と献身性を象徴するものであり、多くの人々の心に深く刻まれることだろう。山崎の引退は、一つの時代の終わりを告げるものだが、同時に新たな時代の始まりでもある。彼の歩みは、野球界に大きな影響を与え続けることだろう。