秋田の農家が運営する野菜たっぷりランチ専門店「BOKUNOUKA」: 由利本荘市の魅力を伝える
野菜の魅力を伝える飲食店が秋田・由利本荘市に
秋田県由利本荘市にあるJR羽後本荘駅からほど近いビルの2階で、昼の時間帯だけ営業するランチ専門店が話題を集めています。この店の名前は「BOKUNOUKA」。店名の由来は「ぼく、農家」という意味で、店主の高原一馬さん(28)がその名の通り、地元の農家として活躍しています。
高原さんは、由利本荘市石脇で100年続く農園の5代目です。父と祖父とともに12棟のハウスで季節に合わせた野菜を栽培しています。現在はミニトマト、ナス、ピーマンなどを作っています。栽培の特徴は、由利牛のたい肥を使って土づくりをしている点です。高原さんは「父親や祖父から教わることも多い」と語り、伝統と新しい技術を融合させた農業を実践しています。
高原さんの経歴とUターン
高原さんは地元の高校を卒業後、滋賀県の園芸専門学校に進学し、2年間学びました。その後、宮崎県でカフェを経営する農家のもとを訪れ、トマトの栽培を中心に研修を受けました。6年前にUターンし、実家の農園で働くことを決意しました。以来、野菜の収穫やスーパーへの出荷作業など、忙しい日々を送っています。
野菜たっぷりのランチメニュー
毎日午前11時頃、高原さんは収穫したばかりの野菜を持って店にやってきます。この日のランチに使用する食材は、自身で栽培したミニトマト、ナス、ピーマンの他、シシトウやカボチャなど10種類以上。これらの野菜は素揚げやグリルで調理され、野菜の旨みを最大限に引き出します。味付けは塩だけというシンプルさが特徴です。
店の看板メニューは「ハヤシライス」。このハヤシライスは、水を加えず完熟したミニトマトの水分だけで作ったルーを使用しています。ピンク色に染まったご飯にはミニトマトが混ぜられ、トマト尽くしのハヤシライスとなっています。付け合わせには、ナスのひき肉みそいためやもやしのナムルなど、4種類の野菜が盛り付けられ、目にも鮮やかなワンプレートが完成します。
野菜の魅力を伝える理由
高原さんが農業の傍ら飲食店を始めた理由は、直売所に卸すだけでは、お客さんが食べているところを見たり感想を聞いたりする機会がないからです。「実際に自分が作った野菜を調理してお客さんに食べてもらい、野菜についていろいろ言ってもらえるところがモチベーションになって、農業も頑張れる」と高原さんは語ります。
顾客の反応
ランチに訪れた女性客は、「店には以前、1回来たことがあったが、一度で野菜がたくさん取れておいしかったのできょうも来た」と話し、別の女性客は、「高原農園の野菜はよくスーパーで手に取っている。栽培から調理まで全部自分でやっていることに敬意を表しながらいただいている」と感心した様子でした。
今後の展望
高原さんは、「自分が作った野菜を自分の手で調理して、それを『おいしい』と言ってもらえるのはうれしい」と笑顔で語ります。「ゆくゆくは自分で店を持って、うちの野菜を直売したり、加工品を出したり、より野菜に特化した店を作っていきたい」と、将来のビジョンを語りました。
高原さんはこれからも、真心込めて育てた野菜と自慢の料理で地域に活力を届け、野菜の魅力を多くの人に伝えていくことを誓っています。