不登校児童向け、小田急運転士が開くAOiスクール:学びと鉄道の楽しさを伝える
小田急電鉄株式会社は、不登校の子供たちを対象としたオルタナティブスクール「AOiスクール」を2024年10月1日に正式開校した。AOiスクールは2023年9月にプレ開校し、80名の定員に達したため生徒の受け入れを一時中止していたが、このたびの正式開校に伴い、小学1年生から高校3年生の新規受け入れを10月16日から開始する。
AOiスクールは、不登校経験を持つ現役運転士2名が企画と運営に携わっている。彼らは、鉄道に夢中になったことで人生を切り開いた経験から、同じような境遇にある子供たちに学びの楽しさを伝えたいという思いで同校を設立した。
同校では、小田急線善行駅に隣接する教室とバーチャルキャンパスへの通学が主となる「善行コース」を提供している。このコースでは、不登校を経験した現役運転士2名のほか、現役乗務員や駅係員などがスタッフとして参加し、同世代の仲間やスタッフとのコミュニケーションを通じて、社会の仕組みや仕事の面白さなどを学べる。
また、外出にハードルがある子供や遠方に住む子供が気軽に参加できる「バーチャルキャンパスコース」や、鉄道係員の経験があるスタッフが鉄道に関するさまざまなテーマを紹介する「ライブセミナーコース」も併設している。
AOiスクールを利用した保護者からは、「通学をきっかけに外出の習慣を取り戻すことができた」「憧れのスタッフの影響で、学習意欲が生まれ、子供が将来について少しずつ考えるようになった」といった反響が寄せられている。