新幹線列車名と競馬馬名の意外な繋がり:新幹線60周年を記念して

新幹線列車名と競馬馬名の意外な繋がり:新幹線60周年を記念して

60年前の10月1日、東海道新幹線の東京~新大阪間が開業し、世界初の高速鉄道として誕生した「新幹線」は大成功を収め、現在では北海道、東北、秋田、山形、上越、北陸、山陽、九州、西九州と路線を拡大。当初は「ひかり」と「こだま」だけだった列車名も、現在では約20種類まで増えた。

北海道・東北新幹線では、「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」が運行されている。はやぶさはリオンディーズの18年産駒、はやてはブラックタイドの14年産駒がいる。やまびこは2歳馬のアメリカンペイトリオット産駒が先月28日の中山競馬でデビュー。なすのは1924年生まれで、横浜の帝室御賞典に勝つなど、戦前に活躍した。

山形・秋田新幹線では、「つばさ」「こまち」が運行されている。この2路線は在来線に新幹線車両が直通し、最高速度は130km/hに抑えられているが、東北新幹線に乗り入れ、東京と山形(新庄)、秋田をダイレクトにつないでいる。つばさはフサイチリシャールの12年産駒など複数存在。こまちは何頭かおり、キタサンミカヅキ産駒の3歳牝馬が川崎で現役生活を送っている。

上越新幹線では、「とき」「たにがわ」が運行されている。東京~新潟を最速約1時間半で走るときには全2頭がデビューしており、69年生まれは73年の東京障害特別の覇者。主に東京~越後湯沢間を走行するたにがわは、マーベラスサンデーの13年産駒で、ダートや障害で活躍した。

北陸新幹線では、「かがやき」「はくたか」「つるぎ」「あさま」が運行されている。今年の春に福井県の敦賀まで延伸開業した同路線。かがやきは最新だと、ホッコータルマエの18年産駒が地方で57戦3勝だった。はくたかはセイウンスカイの03年産駒などがいる。主に富山~敦賀を結ぶつるぎは、カッティングブレードの90年産駒、ヤマニンゼファーの00年産駒が1頭ずつ存在。東京~長野のあさまは、パイロ産駒の現2歳馬がホッカイドウ競馬で4戦2勝の成績を残している。

東海道・山陽新幹線では、「のぞみ」「ひかり」「こだま」が運行されている。日本の大動脈と言われ、上記3列車はとりわけなじみ深い名前といえる。のぞみはルーラーシップの14年産駒が中央、地方で55戦0勝。ひかりはホークスターの01年産駒など複数いる。こだまは60年の皐月賞、ダービーの二冠馬。東海道本線を走っていた国鉄初の電車特急こだまが、その名の由来と言われている。

九州・西九州新幹線では、「みずほ」「さくら」「つばめ」「かもめ」が運行されている。みずほは全列車、さくらはその多くが鹿児島中央から新大阪まで直通し、つばめは九州新幹線内(一部は山陽に乗り入れ)を運行する各駅停車の愛称。かもめは22年に部分開業した西九州新幹線で使われている。みずほは複数おり、キングスリープの67年産駒は種牡馬としても特別戦勝ち馬などを送り出した。さくらはドレフォンの4歳牝馬がホッカイドウ競馬で現役。つばめはネヴァービートの67年産駒が中央で23戦4勝、かもめはミナミホマレの59年産駒が中央で28戦2勝の成績だった。

現在使われていない列車名では、「あおば」「あさひ」がある。あおばはチャイナロックの62年産駒など複数。あさひも何度か使われているが、カレンブラックヒル産駒の5歳牡馬が現役馬にいる。

これまでに誕生した新幹線の列車名は馬名としても存在していた。現在、品川~大阪のリニア中央新幹線や北海道新幹線の新函館北斗~札幌の建設が進行中。開業から70年、80年、100年経った時には、路線図はどう変わり、馬名と同じ列車名は使われているだろうか。