《172cmの奇跡》河村勇輝、NBA挑戦へ《和製ボグジー》のディフェンス力が鍵

《172cmの奇跡》河村勇輝、NBA挑戦へ《和製ボグジー》のディフェンス力が鍵

日本代表のPG河村勇輝(23)が、米プロバスケットボールNBAのメンフィス・グリズリーズとエキシビット10契約を結び、日本時間2日にテネシー州ナッシュビルでキャンプインした。主力選手たちと共にシュート練習などを行い、初日を終えた。

エキシビット10契約は、Gリーグ(マイナー)契約すら保証されない不安定なもの。同じ契約で渡米した日本代表SGの富永啓生(23)はキャンプインを前に契約を解除されたため、河村は「いつカットされるか分からない状況。気を抜かずに頑張っていきたい」と危機感を口にした。

グリズリーズには、バスケットボール界の伝説的な選手マイケル・ジョーダンの相棒として知られるスコッティ・ピッペンの息子スコッティ・ピッペンJr(23)ら、若手の強力なPGがいる。河村は身長172cmとバスケットボール選手としては小柄だが、それでもチャンスは存在する。彼の持ち前のオフェンス力だけでなく、ディフェンス力が重要となる。

実際、河村のような小柄な選手がNBAで成功した例は少なくない。NBA史上最小160cmのPGマグジー・ボーグズは1980年代後半から14シーズンに渡って4チームでプレーし、96-97シーズンのプレーオフではNBA記録の3ポイント成功率85.7%をマーク。オフェンスだけでなく、ディフェンスでも高く評価された。

ボーグズは、大柄な選手の隙を突いてボールを奪うスチールを決め、チームに貢献。93年には、NBAを代表するセンターで身長213cmのパトリック・ユーイング(ニックス)のシュートをブロックする衝撃的なプレーを披露し、ファンの間で語り草となっている。

河村はBリーグでもディフェンスに定評があり、今夏のパリ五輪などの国際大会でも、大柄な海外の選手にひるむことなく、パスカットなどのターンオーバーを決めて好機を演出してきた。

日本を代表するPGとして、河村は「和製ボグジー」として低身長を生かしたスピード感のあるディフェンスでNBAでの生き残りを図れるか、注目が集まっている。