「ルイス・エンリケの熱き指導とキリアン・エンバペの成長:PSGからレアル・マドリーへの道」
フランス代表のキリアン・エンバペがUNLメンバーから外れた一方で、エンクンクが復帰したことが話題となっている。しかし、ここではPSG時代のエンバペに対するルイス・エンリケ監督の指導に焦点を当てたい。
モナコからPSGに加入したエンバペは、7年間で256ゴールを記録し、6度のリーグ・アン優勝に貢献したトップスターとなった。今夏、契約満了でPSGを退団し、レアル・マドリーに加入した。
最近、『Movistar+』が公開したドキュメンタリーで、昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグでPSGがバルセロナに2-3で敗れた後のルイス・エンリケ監督の指導が注目を集めている。この試合後、エンバペがリーダーとして守備面でも貢献する必要があると感じた監督は、熱心に指導を行った。
「君がマイケル・ジョーダンを尊敬していることを知っている。彼はチームメイトのものを掴んで狂ったように守る。まずは人として、そして選手として、その模範を示さなければならない」
マイケル・ジョーダンは、攻撃力だけでなく、守備面でも優れた選手として知られている。1988年にはリーグの最優秀守備選手に選ばれ、NBAオールディフェンシブチームにも9度選出された。
ルイス・エンリケ監督は、バルセロナ相手の前線からの守備についても具体的な指導を行った。
「パウ・クバルシがいるから、彼をマークすることになる。そして、彼とテア・シュテーゲンをマークすることになる。試合中はずっとクバルシにプレッシャーをかけ、彼が前進するのを止める。テア・シュテーゲンが素早くプレーするのを阻止する。そしてすぐに戻ってくる」
「何のために? リーダーになるためだ」
おそらくルイス・エンリケ監督は、シーズン終了後にエンバペがクラブを去ることを知っていた。エンバペに胸を張ってパリを去ることを望んでいた監督は、次のように熱い言葉を送った。
「これが、残された2カ月間、リーダーとして君にやってほしいことだ」
「君は大きなドアを通ってここを去ってほしい。君に疑いの余地はない。でも、それは勝ち取らなくてはならない。攻撃だけじゃないんだ。攻撃面においては君は神だ。君より優れたものはいないだろう。それは私も知っている」
「しかし、攻撃できない日は、守備で史上最高の選手にならなくてはならない。それがリーダーであり、マイケル・ジョーダンなんだ」
その後、PSGは準々決勝2ndレグでバルセロナを4-1で破り、2戦合計スコア6-4で逆転勝利を収めた。エンバペも2ゴールを記録し、クラブの2020-21シーズン以来の準決勝進出に貢献した。