「ゴルフ場の名称変更、その理由とは?」経営者交代以外の背景と影響を解説
ゴルフ場の名前が変更される主な要因は、経営者の交代や会社の変更です。財政難などの理由で経営権や株式が別の会社に譲渡・売却されると、名前が変わるケースが多いと、ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は説明しています。
新しい運営者は、大手の「PGM」や「アコーディア」などの運営会社だけでなく、韓国をはじめとした海外資本の企業も増えています。特に、国内での供給が需要に追いついていない国では、外国のゴルフ場を買収することで、利用者の分散やプレー料金の高騰を抑制するケースもあります。
また、ゴルフ場のリニューアルをきっかけに名前が変更されることもあります。看板の掛け替えやゴルフ場名が書かれたグッズのリニューアルなどが行われ、イメージを刷新するために名前を変更するところもあります。古臭い印象やハードルが高いと思われないように、「リゾート」などの言葉を加えてカジュアルな印象を与えるゴルフ場も増えています。
2022年に運営元を変更したゴルフ場は、名称の変更を行わなかった場合を含め、193コースに上ると、一季出版「隔日刊ゴルフ特信」の調査で明らかになっています。
名前が変わると、カーナビやネット検索でヒットしないケースも考えられます。そのため、一部のゴルフ場ではホームページで「検索する際は旧名称を入れてください」と案内しています。
さらに、経営交代においては引き継ぎ前の会社と引き継ぎ後の会社間で債務を受け渡す契約が結ばれていないと、会員権を手放す際の預託金返還を受けられないだけでなく、最悪の場合プレーすら認められなくなる可能性もあります。
経営元が変わり、ゴルフ場の名前が変わる事態は珍しくありません。ゴルファーにとって不便に感じることかもしれませんが、持続可能な運営を目指すための一つの施策として理解することが大切です。