【名車の軌跡】カワサキGPz1100(ZX1100-A1):空冷Zの栄光と終焉
1981年開催の第24回東京モーターショーで、カワサキのブースに展示されていたのは、国内4メーカーで最後発となるターボチャージャー車、750ターボのプロトモデルだった。このモデルは、リベット留めのアルミ製ハーフカウルと、燃料タンク、サイドカバー、テールカウルへと流れるようにつながる斬新なスタイリングが特徴で、ジェット機をイメージしたものだった。
この要素を初めて量産車で具現化したのが、1983年に発売されたGPz1100(ZX1100-A1)である。開発コンセプトは“空冷2バルブの性能を限界まで引き出したフラッグシップ”で、4バルブの他メーカー製ライバルに引けをとらない120PSを発揮。Zシリーズ最強の性能を誇った。
翌年には、750ターボや新設計の水冷4バルブ並列4気筒を搭載するGPz900Rが登場し、1985年にはGPz1100の生産が静かに終了した。これにより、1972年秋に華々しくスタートした空冷2バルブZは終焉を迎えることとなった。