アルビレックス新潟の失われた宝、チアゴ・ガリャルド:才能と問題を孕んだブラジル人MFの物語
1993年の開幕から32年目を迎えたJリーグでは、数多くの外国籍選手がプレーしてきた。活躍した選手もいる一方で、期待を大きく裏切って帰っていった選手も少なくない。今回は、アルビレックス新潟で活躍できなかった外国籍選手を紹介する。
2017シーズン前半戦の基本先発メンバーチアゴ・ガリャルド(ブラジル出身)。生年月日は1989年7月20日で、在籍期間は2017年。J1通算成績は23試合出場、3得点。
ブラジル全国選手権で高く評価されていたファンタジスタとして、背番号10が託された。確かなテクニックとプレービジョンを披露する一方で、守備ではほとんど走らず、メンタル面の不安定さからくるプレーの波の大きさは如何ともしがたかった。
身長183cmと体格にも恵まれ、ロングスローを投げるなど意外な一面も見せていた。ピッチ外では、難病と闘う少年を勇気付けるため髪をオレンジ色に染めるなど、人格者としての側面も見せていた。しかし、最終的には「人格」が問題となって新潟を去ることになった。
リーグ中断期間中、体調不良を理由に練習を欠席すると、実は自宅でパーティーを開催していたことが判明。さらに練習中には練習生を蹴飛ばしたり、周りの選手たちと衝突したり。トラブル続きだったうえ、2017年9月末に家庭の事情でブラジルに帰国すると、2度と戻らず。事実上の戦力外状態のまま期限付き移籍契約満了とともに新潟を退団した。