【奮闘!ガールズ競輪選手】伊沢茉那、始球式への切符を掴む強さを誓う
27歳のガールズ選手、伊沢茉那が、競輪選手としての道を歩み始めています。伊沢は大学を中退後、飲食店のアルバイトをしながら生活していましたが、コロナ禍の影響で仕事がなくなり、暇を持て余していたところ、競馬の騎手になることを思い立ちました。しかし、年齢制限の関係で断念し、公営競技の選手を目指すことに。競輪とボートの選択肢の中から、適性体重が近いボートを選択し、2度目の試験で合格しました。
しかし、養成所での厳しい生活と操縦の難しさに直面し、1か月半で辞めることに。その後、「このまま逃げた形で後悔を抱えたまま次に進むのはイヤ」と決意し、競輪に挑戦することを決意。競輪選手養成所の適性試験に一発合格し、入所しました。最初は「周りについていけず、泣きながら周回したこともありました」と振り返りますが、今年5月には無事にデビューを果たしました。
9月には地元松戸で初勝利を収め、着実に実績を積み重ねています。「失敗したり、つらいことも多いけど、毎日がすごく楽しい」と伊沢は充実感を語ります。趣味はプロ野球の観戦で、特にヤクルトのファンとして、オスナ選手を推しています。「異国の地から来たのに日本の野球に適応し、オフの日も練習を惜しまないその勤勉さが好き」と話します。
伊沢は「いつか始球式に呼ばれたい。呼ばれるぐらい強い選手になりたい」と目標を語ります。高校時代はやり投げの選手だった伊沢は、同じくやり投げ出身の柳原真緒が記録した球速96キロ超えを目指し、肩だけでなく脚の強化にも取り組んでいます。