『虎に翼』の感動シーン:法廷劇「毒まんじゅう事件」で描かれた友情と孤独

『虎に翼』の感動シーン:法廷劇「毒まんじゅう事件」で描かれた友情と孤独

伊藤沙莉が主演を務めるNHK朝ドラ『虎に翼』は、昭和初期の男尊女卑に立ち向かい、日本初の女性弁護士そして判事となった人物の情熱あふれる姿を描く作品だ。9月27日に最終回を迎え、NHKプラスやNHKオンデマンドでは歴代朝ドラで最高視聴率を記録している。

特に印象的なシーンの一つは、第3週の法廷劇「毒まんじゅう事件」をめぐる一幕だ。寅子(伊藤沙莉)たちが明律大学女子部で学んでいた頃、同級生たちが寅子の家に集まり、法廷劇で演じた「毒まんじゅう事件」の検証のために、みんなでまんじゅうをつくっていた。森田望智が演じる花江は、寅子の母・はる(石田ゆり子)とともに手伝っていたが、同級生たちの輪に入れないことに涙を流していた。

最初は「ひとりぽっち」という言葉を用いて、よね(同級生)から結婚は「自分で選んだこと」と一蹴されてしまう。しかし、寅子の「弱音を吐くべきなのでは」という問いかけを受けて、はるから褒められないことの辛さを語り始めた。

よねの言う通り、花江は望んで寅子の兄・直道(上川周作)と結婚したし、寅子にも結婚を進めてもいた。しかし、だからといって辛いことや寂しいことのない人生なんてありえない。

『虎に翼』は、猪爪寅子が司法の世界でどう生き抜くかを描いた作品であるが、どんな道を選んだ人にも寄り添う物語であることを示した名シーンだったと言える。