広島・内田、ノーステップ打法で３安打１打点！若き大砲候補の成長著しい「やってきたことが実になってきている」

１２日、フェニックス・リーグのサムスン戦（天福）で広島・内田湘大内野手（２０）が「２番・三塁」で先発出場し、３安打１打点をマークした。内田は３回、１死一、三塁の場面で先制の左前適時打を放ち、チームの勝利に貢献した。この日は４試合連続安打を記録し、レギュラーシーズン最終戦でプロ初安打を放った若き大砲候補として、新井貴浩監督（４７）からも期待が寄せられている。

内田の特徴は迷いのない鋭いスイングだ。初対戦の投手でも関係なく、ノーステップ打法から広角に安打を飛ばし、対応力の高さを示した。内田は「やってきたことが、ちょっとずつ実になってきている」と手応えを感じている。

特に、追い込まれた場面でも三振を避ける意識が功を奏している。８月から追い込まれた際にはノーステップ打法に切り替える試みを続けており、「コンタクト率を高めて、三振を減らすため。目線もぶれないし、いつでもバットが出せる」とそのメリットを説明している。

１０月５日のヤクルト戦（マツダ）で初めて１軍に昇格し、朝山打撃コーチから「ノーステップでもいいものを持っている。ノーステップでも、足を上げた時のスイングに近づけるようにやっていけばいい」と助言を受け、現在は初球から同打法で臨むこともある。

この日、６回の第３打席では中前打を放ち、ミート力の向上が期待できる一方で、長打力を失うことへの懸念もあった。しかし、８回の第４打席では右翼手の頭を越える三塁打をマークし、「しっかり振れればああやって長打が出る」と自慢のパワーも健在だ。

今季はプロ初安打をマークするなど、飛躍の年となったが、内田は満足していない。「またあそこ（１軍）でプレーしたい気持ちは強い。今は変化できる時期だと思うので、怖がらずに挑戦していきたい」とさらなる進化を追い求め、試行錯誤の秋を過ごしている。