米FTC、9社のソーシャルメディア企業のデータ収集実態を報告

米FTC、9社のソーシャルメディア企業のデータ収集実態を報告

米FTC、9社のソーシャルメディア企業のデータ収集実態を報告

米連邦取引委員会(FTC)は、9月19日に公開した報告書で、計9社のソーシャルメディア企業とストリーミングサービス企業が消費者のデータをどのように収集し利用しているかについて、4年にわたる調査結果をまとめた。報告書によると、これらの企業は当初考えられていたよりもはるかに大規模なデータ収集スキームを展開していることが明らかになった。

調査の背景と対象企業

FTCのウェブサイトで129ページにわたる報告書の全文を読むことができる。2020年に、世界最大級のオンラインプラットフォームの疑わしい商慣行について調査を開始した。対象となった企業は、Amazon(「Twitch」を保有)、Facebook(現Meta)、YouTube、Twitter(現X)、Snap、TikTok(バイトダンスが保有)、Discord、Reddit、WhatsAppである。

データ収集の実態

FTCの調査結果によると、これらの企業は「ユーザーと非ユーザー」の両方からできる限り多くのデータを収集しており、データブローカーから情報を購入するケースもあった。収集される情報には、年齢、性別、学歴、収入などが含まれる。また、ほとんどの企業は、ユーザーのデータがアルゴリズムに利用されないようオプトアウトする手段を提供していないとされる。

未成年者のプライバシー問題

未成年者の場合でも、状況はそれほど良くはならない。報告書では、「多くの企業が、自社のサービスは子供向けではないため、自社のプラットフォームに子供はいないと主張している」と指摘。これは明らかに「責任を回避する」ための建前であり、企業は「ティーンエイジャーを成人ユーザーと同じように扱っている」ことが多いとしている。

保護策の提案

FTCは報告書で、人々のプライバシーを保護するための施策を政策立案者や企業に提案している。これにより、新たな法律が制定されることも期待できるが、それがいつになるかは不明だ。

個人での対策

データ収集に熱心な企業から身を守るために、個人でも多くの対策が可能だ。まず、プラットフォームのプライバシー設定に慣れることだ。位置情報の共有をオフにしたり、パーソナライズ広告の配信を拒否したりするなど、設定を変更することで、ウェブサイトが収集できるデータの量を制限できる。

また、より厳格なプライバシーポリシーを持つ別のソーシャルプラットフォームに登録することも検討すべきだ。例えば、「Mastodon」は「X」に似ているが、プライバシーをより重視している。情報保護のためのブラウザー拡張機能もお勧めできる。

結論

FTCの報告書は、大手ソーシャルメディア企業のデータ収集実態を詳細に明らかにし、プライバシー保護の重要性を改めて強調している。消費者は、自身のデータがどのように利用されているかを理解し、適切な対策を講じることが求められている。政策立案者や企業も、報告書の提言に基づいて、より透明性の高いデータ収集と利用の方法を模索することが期待される。