『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』レビュー:アクション度が増した新作ファンタジーRPG

『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』レビュー:アクション度が増した新作ファンタジーRPG

ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者(以下、DA4)はBioWareが手掛けるファンタジーRPGのシリーズであるドラゴンエイジの最新作。2024年11月1日にエレクトロニック・アーツからPS5/Xbox Series X|S/PC向けに発売される。記者はPS5版のレビュー版をプレイしてみた。

DA4は、前作『ドラゴンエイジ:インクイジション』から10年ぶりの続編であり、BioWareのファンタジーRPGの集大成とも呼べる作品となっている。メインクエストをクリアするだけで約40時間、フルにプレイすると100時間以上かかるというボリュームのある作品だ。記者は仲間や各地の勢力にまつわるサブクエストをこなしつつ、クリアまで54時間遊び倒した。

世界の危機を食い止めるため、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間たちが集結する。ゲームは、ドワーフのローグであるヴァリックに率いられた主人公たちの一行が、強力な魔道士であるエルフのソラスの儀式を阻止しようと急行する場面からスタートする。ソラスは、生身の者たちの現実世界と精霊や悪魔が住む精神世界“フェイド”が”ヴェイル”と呼ばれる障壁で隔てられる世界「セダス」の安定を崩すために、ヴェイルを解こうとしている。

チュートリアルパートはヴェイルの裂け目から飛び出してきた悪魔たちによって大混乱に陥る中で進行する。主人公たちはかろうじて儀式の妨害に成功するものの、その代償としてヴェイルによって閉じ込められていた古代エルフの神々が復活する。主人公たちは各地の情報収集を行いつつ協力してくれる仲間を集めようとするところから本編がスタートする。

ゲームの世界は、オープンワールドではなく、大きな作り込まれたマップが各地にあり、異空間“十字路”を介してワープする形式だ。各マップは立体的かつあらゆるところに仕掛けや宝箱などのシークレットが置かれている。ゲームの構造はかなり密度の高いものとなっているが、クエスト内容に適正レベルの表示や警告がないため、ボスまで行ったら強化が全然足りておらず話にならなかったこともあった。

ゲームは、戦士、ローグ、魔道士の3職に分散したコンパニオンたちが登場する。各コンパニオンはキャラ固有の装備とスキルツリーを持っており、仲間と力を合わせて強力なアビリティコンボを炸裂させることができる。キャラの外見は後から簡単に直せ、キャラの組み合わせは柔軟に変更できる。記者は、コンパニオンたちの会話や行動が、ありのままの彼らというキャラクターを垣間見せてくれると評価している。

DA4はBioWareのファンタジーRPGの集大成とも呼べる作品となっている。ゲームプレイ的には今どきのアクション要素を大胆に取り入れた作品であり、物語的にはインクイジションでコンパニオンキャラとして登場したソラスのサーガの集大成でもある。グラフィック面も美しく、今年の洋RPGを代表する超大作と言えるだろう。